小学生とカナダ3か月親子留学の体験談

はじめに

小学生のうちに、英語だけでなく「世界の広さ」を肌で感じさせたい。
そんな思いから、親子でカナダに3か月間の留学をすることを決めました。

英語がほとんど話せない状態で始まった親子留学。
現地の小学校への通学、ホームステイでの生活、そして親も一緒に語学学校へ通う日々。
不安もありましたが、3か月後には子どもの表情も言葉も大きく変わっていました。

この記事では、実際に体験した「小学生とカナダ3か月親子留学」のリアルな様子を、
英語力の変化、生活環境、費用、そして親子それぞれの気づきと成長を交えて紹介します。

「いつか子どもと一緒に海外生活をしてみたい」と考えている方の参考になれば幸いです。

留学を決めたきっかけ

親子留学を考え始めたのは、子どもが小学5年生のときでした。
英会話教室に通ってはいたものの、授業では「話すより聞く」が中心で、
「実際に英語を使う場がほしい」と感じていたのがきっかけです。

子ども自身も海外への興味が強く、YouTubeで見たカナダの学校生活に憧れを持っていました。
親としても「受験のための英語」ではなく、「使える英語」を身につけてほしいという思いがあり、
思い切って3か月間、親子で海外に飛び出す決意をしました。

行き先にカナダを選んだ理由は、治安の良さ・教育レベルの高さ・多文化社会の過ごしやすさです。
また、現地の小学校に通える短期プログラムが整っており、
英語初心者の子どもでも安心して受け入れてもらえる点も大きな魅力でした。

出発前は「本当に3か月で変われるの?」という不安もありましたが、
結果的には、この期間が親子にとって人生を変えるほど濃い時間になりました。

滞在エリアと生活環境

私たちが滞在したのは、カナダ西部の都市・バンクーバー郊外
中心部から電車で30分ほど離れた住宅エリアで、治安が良く、
自然と都市のバランスが取れた環境でした。

ホームステイ先は、教育関係の仕事をしているカナダ人ご夫婦と、
同年代の子どもがいる家庭。親子留学の受け入れ経験も豊富で、
「まるで家族の一員」として迎えてくれました。

家からは徒歩5分で公立小学校、バスで10分ほどで私が通う語学学校。
朝は一緒に朝食をとり、スクールバスで登校する子どもを見送り、
私はそのまま英語学校へ向かうという生活リズムができあがりました。

近所には図書館やコミュニティセンター、公園も多く、
放課後は現地の子どもたちと遊びながら自然と英語を使う時間が増えていきました。

週末はホストファミリーと一緒にファーマーズマーケットへ出かけたり、
バンクーバー市内のスタンレーパークグランビルアイランドを観光。
カナダならではの自然と多文化の雰囲気を、親子でたっぷりと感じられました。

この「安心できる環境」と「英語が自然に使える日常」が、
親子留学の成功を支えてくれたと思います。

子どもの学校生活

子どもは現地の公立小学校に通いました。
最初の1週間は、まさにカルチャーショックの連続。
授業中に先生が頻繁に質問を投げかけ、生徒たちは自分の意見をどんどん発言。
「正解を答える」よりも、「自分の考えを伝える」ことが重視されているのが印象的でした。

英語がまだ十分に話せず、最初は「わからない」「どうしよう」という不安が大きかったようです。
しかし、クラスメイトはとてもフレンドリーで、
「一緒にランチを食べよう」「サッカーしよう!」と声をかけてくれる子が多く、
すぐに打ち解けることができました。

授業では、図工や理科の実験、ディスカッション形式の発表など、
体を動かしながら学ぶ内容が多く、日本の勉強スタイルとはまったく違いました。
そのため、言葉が完全に理解できなくても「見て、やって、感じて覚える」ことができ、
1か月を過ぎる頃には、自然と英語を聞き取る力がついてきました。

また、学校にはESL(English as a Second Language)サポートの先生もいて、
英語が母語でない生徒のための補習授業を週数回受けることができました。
このサポートがあったことで、子どもも安心して学校生活を続けられたようです。

2か月目には、クラスメイトと英語で冗談を言い合ったり、
簡単なプレゼンテーションにも挑戦。
最終月には「帰りたくない!」と言うほど、学校が楽しい場所になっていました。

現地の先生からも「短期間での成長が素晴らしい」と評価され、
自信を持って日本に戻ることができたのは、この学校生活の経験が大きかったと思います。

親の過ごし方と日常

子どもが現地の小学校に通っている間、私は午前中に**語学学校(ESLスクール)**に通いました。
カナダでの生活をより充実させるため、自分自身も英語を学び直そうと思ったのです。
同じように親子留学中の日本人・韓国人・ブラジル人の保護者も多く、
授業では日常会話や生活に使えるフレーズを中心に学びました。

午後は子どもの送迎や買い物、洗濯、料理などの生活サポート。
現地のスーパーや銀行で英語を使う機会が多く、
最初は聞き取れずに困ることもありましたが、
「間違えても伝えよう」と思えるようになってからは、
英語を使うのがどんどん楽しくなっていきました。

夕方はホストファミリーと一緒に夕食をとりながら、
お互いの国の文化について話す時間が自然と生まれました。
「日本では給食があるの?」「どうして桜が人気なの?」など、
日常会話の中に文化交流があり、英語学習というよりも“生活そのもの”が学びでした。

週末は、親子で観光やアクティビティに参加。
スタンレーパークのサイクリング、キャピラノ吊り橋でのハイキング、
地元のマーケット散策など、英語で体験を重ねることが英語力アップにもつながりました。

この3か月で感じたのは、**「親も学ぶ姿勢を見せることが、子どものやる気につながる」**ということ。
「ママも今日は学校どうだった?」と子どもから聞かれることもあり、
お互いに学び合う関係が自然と生まれていきました。

親子留学は「子どものため」だけでなく、
親自身の成長や視野の広がりにも大きな意味があると実感しました。

英語力と成長の変化

3か月の滞在で、子どもの英語力は目に見えて変わりました。
出発前は、「My name is…」「Thank you」などの簡単なフレーズしか言えず、
リスニングもほとんど理解できない状態でした。

しかし、現地の学校生活と家庭での会話を重ねるうちに、
少しずつ英語を“勉強”としてではなく、“生活の一部”として使うようになっていきました。

1か月目は、聞き取ることに集中している様子で、
話しかけられても笑ってごまかすことが多かったのですが、
2か月目になると「Can I play with you?」「I don’t understand. Can you show me?」など、
自分から言葉を使うように。

帰国直前の3か月目には、ホストファミリーの娘さんと
英語で冗談を言い合ったり、映画を一緒に観ながら意味を説明できるほどに。
特に「話すことへの抵抗感」が完全になくなったのが大きな変化でした。

英語力だけでなく、自分の考えを言葉で伝える力も身につきました。
日本では「間違えるのが恥ずかしい」と感じていた子どもが、
カナダでは「Tryしてみよう!」と前向きに挑戦できるようになったのです。

また、親の私自身も、英語で生活をする中でリスニング力と度胸がつきました。
スーパーでの会話や学校とのやりとりなど、
日常の中で「使わざるを得ない」環境が、自然と上達につながりました。

3か月という短い期間でも、語学力よりも“自信”が大きく育つのが親子留学の魅力だと感じます。
帰国後も子どもはオンライン英会話を継続し、
「次はもっと長く行きたい」と、自分から学びを続けるようになりました。

費用の目安(3か月・親子2名の場合)

カナダの親子留学は、都市・学校の種類・滞在形式によって費用が変わります。
以下は、バンクーバー郊外でホームステイを利用した一般的なケースの目安です。

費用項目 金額目安(円) 内容
授業料(親+子) 約650,000〜800,000 親:語学学校(週20〜25時間×12週)/子ども:公立校またはジュニアプログラム
ホームステイ滞在費 約350,000〜450,000 3食付き・親子同室または個室利用(3か月分)
航空券(往復2名分) 約250,000〜300,000 成田・羽田〜バンクーバーの直行便利用
保険・ビザ・手続費 約80,000〜100,000 海外保険・学生ビザ・入学書類発行など
生活費(交通・外食・レジャー) 約120,000〜180,000 週末のお出かけ・日用品購入など
合計目安 約1,400,000〜1,800,000円前後 為替・地域・学校により変動あり

費用を抑えるポイント

  • 早期申込割引:一部の語学学校では2〜3万円の割引あり。

  • 親子で同じホストファミリーに滞在すると、別々の宿泊よりも月5〜8万円ほど節約可能。

  • 食事付きホームステイを選ぶことで、外食費を最小限に。

  • 航空券は早めに予約(出発の3〜4か月前)すると大幅に安くなる傾向。


3か月の親子留学は、確かに安いものではありません。
しかし、英語力の向上に加え、**「親子で過ごす濃密な学びの時間」**という
金額では測れない価値が得られるのが最大の魅力です。

現地での生活と学びの工夫

カナダでの3か月間、親子それぞれが学びを深めるために意識したのは「英語を生活の中に溶け込ませること」でした。
学校だけでなく、家でも街でも英語を使う機会をできるだけ多く作るようにしました。

朝のルーティン

朝は7時ごろ起床し、ホストファミリーと一緒に朝食。
その日の予定を英語で話すのが日課になり、
“Today we’ll go to the park.” “I have math class today.” など、
短い会話でも英語でやりとりをすることで自然とフレーズが身につきました。

放課後の時間

子どもは放課後、現地の友達と公園で遊んだり、図書館で宿題をするのが日常に。
宿題の内容もすべて英語なので、最初は私も一緒に辞書を引きながらサポートしましたが、
次第に自分で理解しようと努力する姿が見られるようになりました。

私自身も、スーパーや郵便局での会話など、
日常生活で英語を使うことが“トレーニング”になりました。
買い物のときに “Could I get a bag, please?” と自然に言えた瞬間、
小さな達成感を感じたのを覚えています。

週末の過ごし方

週末は、ホストファミリーや他の親子留学生と一緒に小旅行へ。
スタンレーパークのサイクリング、グランビルアイランドのマーケット散策、
ホエールウォッチングなど、体験を通じて英語を使う機会がたくさんありました。

また、カナダの文化に触れるイベント(カナダデー、スクールフェスティバルなど)にも積極的に参加。
「学ぶ英語」から「使う英語」へと切り替わるきっかけになりました。

夜の振り返り

夜は子どもと一緒に、「今日使った英語」「できなかったこと」を5分だけ話す時間を作りました。
ノートに書き出してみると、たとえ短いフレーズでも日々の成長が実感でき、
モチベーションを保つのにとても効果的でした。


このように、英語を“勉強”としてではなく、
**「日常の中で自然に使う」**ことを意識したことで、
親子ともに無理なく英語力を伸ばすことができました。

帰国後の変化と成長

日本に戻ってから、まず感じたのは子どもの自信の変化でした。
出発前は人前で英語を話すのを恥ずかしがっていたのに、
帰国後は学校のALT(外国人英語講師)とも自然に会話をするようになりました。

「英語は勉強じゃなくて、話すもの」という感覚が身についており、
発音もより自然になり、リスニング力も格段に上がっていました。
学校の英語授業では「海外で学んだ発音」をクラスメイトに教えることもあり、
英語への苦手意識が完全になくなったようです。

また、積極性と柔軟性も大きく成長しました。
異なる文化の中で自分の意見を伝える経験を通して、
「自分の考えを持ち、相手に伝える力」が育ちました。

親としても、生活の中で子どもの成長を間近に見ることができたのは何よりの喜びでした。
日本に戻った今でも、家では英語のフレーズを自然に使ったり、
海外ニュースや動画を英語のまま視聴するようになっています。


私自身も、「英語が完璧でなくても伝わる」という実感を得て、
英語を使うことへのハードルがぐっと下がりました。
また、異文化に対する理解が深まり、
「子どもと一緒に学び、成長する時間」は何物にも代えがたい経験となりました。


3か月という期間は短いようで、親子にとっては十分に意味のある時間でした。
英語力だけでなく、自立・挑戦・共感といった
これからの時代に必要な力を育てるきっかけにもなったと感じます。

帰国後も「またカナダに行きたい!」という子どもの言葉が、
この留学の価値を何よりも物語っています。

まとめ

小学生とのカナダ3か月親子留学は、英語を学ぶだけではなく、
**「親子で一緒に成長する時間」**として大きな意味がありました。

最初は不安と緊張でいっぱいだった毎日も、
少しずつ英語で伝えられるようになり、
現地の友達と笑い合う姿を見たとき、
「来てよかった」と心から感じました。

カナダの教育は「間違えないこと」よりも「伝えようとする姿勢」を大切にします。
その環境の中で、子どもは失敗を恐れずに挑戦し、
親も一緒に“使える英語”を身につけていきました。

費用も時間もかかりますが、
この3か月で得た経験は、帰国後の学び方・考え方・人生観にまで影響を与えます。
特に小学生の時期は柔軟性が高く、
短期間でも驚くほどの吸収力を発揮します。


親子留学を迷っている方へ伝えたいのは、
**「完璧な準備よりも、一歩踏み出す勇気」**が大切ということ。
英語が得意でなくても、現地で助けてくれる人はたくさんいます。
そして何より、子どもは親の背中を見て成長します。


カナダで過ごした3か月は、
私たち親子にとって「人生の転機」と呼べるほど大切な時間でした。
帰国後も、あのときの笑顔と挑戦心を胸に、
これからも親子で新しい世界へチャレンジしていきたいと思います。

親子留学ガイド|親子で英語留学【2025-2026年版】

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