英検5級リーディング対策:よく出る問題パターンと練習法

はじめに

英検5級のリーディングは、英検の中でも最も基礎的な英語力を試すパートです。中学1年生レベルの文法や単語を中心に構成されており、英語を「読む力」を確認する最初のステップといえます。

問題文は短い英文や会話文が中心で、「単語や文の意味を正しく理解できるか」「文の流れをつかめるか」がポイントです。たとえば、日常会話や学校生活など、身近なテーマから出題されるため、英語を学び始めた小学生や中学生にもチャレンジしやすい内容になっています。

この記事では、英検5級のリーディングでよく出る問題パターン効果的な練習法、そして得点アップのコツを詳しく解説します。出題傾向を理解して、読むスピードと理解力を一緒に伸ばしていきましょう。

英検5級リーディングの概要

英検5級のリーディングは、筆記試験(Reading & Writing)の前半部分にあたります。問題数は25問前後で、試験全体の約6割を占めるため、合否を左右する非常に重要なパートです。

出題内容はすべて「中学1年生の1学期レベル」。英語を習い始めたばかりの人でも理解できるように、文は短く、使われる単語も基本的なものが中心です。

リーディングでは次のような問題形式が出題されます。

  • 短文の空欄補充問題(文法・語彙)
    → 文の一部が空欄になっており、正しい単語を選んで補います。

  • 会話文の応答問題
    → 2人の簡単な会話の流れを読んで、正しい返答を選びます。

  • 短文読解問題(内容一致)
    → 3~5文程度の短い英文を読み、内容に合う選択肢を選びます。

出題テーマは「学校」「家庭」「友人」「趣味」「動物」「天気」など、身近なトピックが多く、難しい背景知識は必要ありません。

リーディングの目的は、単に単語を知っているかどうかではなく、英語の文章全体を理解できるかを確認することです。そのため、単語の意味を並べて訳すだけではなく、文の流れや主語・動詞の関係を意識して読む練習が必要です。

よく出る問題パターン

英検5級のリーディングでは、出題形式がほぼ毎回決まっています。問題の型を知っておくことで、どんな英文が来ても落ち着いて解けるようになります。ここでは、特によく出る4つのパターンを紹介します。


パターン①:短文の空欄補充(語彙・文法)

最も基本的な問題形式で、1文の中に空欄があり、そこに入る単語を4つの選択肢から選ぶタイプです。
例:
I (  ) to school every day.
A. go B. goes C. going D. went

このような問題では、「主語」と「動詞の形」に注目しましょう。主語が“I”なら動詞は「go」、主語が“he/she”なら「goes」になります。文法の基礎を正確に覚えておくことが大切です。


パターン②:会話文の応答問題

2人の会話の流れを読んで、最も自然な返答を選びます。
例:
A: How are you today?
B: (  )
A. I’m fine, thank you. B. It’s sunny. C. I like cats. D. I’m ten years old.

この問題では、質問の意味を素早くつかむことがカギです。質問が「調子を聞く内容」なら、それに合った返答を選びましょう。


パターン③:短文読解(内容一致)

3〜5文程度の短い英文を読み、内容に合う答えを選ぶ問題です。
例:
Tom likes soccer. He plays it every Sunday. He watches soccer games on TV, too.
Q: What does Tom like?
A. Tennis B. Soccer C. Swimming D. Baseball

内容を一文ずつ丁寧に読み、**主語(誰が)と動詞(何をする)**に注目すると、答えを見つけやすくなります。


パターン④:指示語や主語の理解問題

代名詞(he, she, it, theyなど)が何を指しているのかを問う問題も出題されます。
例:
Lisa has a cat. It is very cute.
Q: What does “It” refer to?
A. Lisa B. A cat C. A dog D. A book

このタイプは、代名詞の直前に出てきた名詞を確認するのがポイントです。慣れるとすぐに解けるようになります。


読解のコツと時間配分

英検5級のリーディングは問題数が多く、1問あたりに使える時間はそれほど長くありません。限られた時間の中で正確に読み取るには、英文の読み方や答えの探し方にコツがあります。


全体の時間配分を意識する

筆記試験(リーディング+ライティング)は25分。そのうちリーディングに使えるのはおよそ15〜18分が目安です。
25問前後を解くため、1問に使える時間は30〜40秒程度。長文に時間をかけすぎず、テンポよく進めるのが大切です。


「意味のかたまり」で読む

英語を一語ずつ日本語に訳すのではなく、フレーズ単位で理解するのがコツです。
たとえば、
I get up at six every morning.
は、「私は/6時に起きます/毎朝」ではなく、「私は毎朝6時に起きます」と、かたまりで捉えます。


接続詞に注目する

英文を読むときは、but(しかし), so(だから), **because(なぜなら)**などの接続詞を見逃さないようにしましょう。
これらの単語は、文章の意味の流れを変えるサインです。問題文が少し長くても、接続詞に注目することで内容の方向がつかみやすくなります。


質問を先に読む

短文読解問題では、まず質問文を先に読むのがおすすめです。何を聞かれているのかを先に理解しておくと、本文を読むときに「答えを探す目」で読めます。
たとえば、「What does Tom like?」と質問にあれば、「Tomが好きなもの」に関係する文を中心に読むようにしましょう。


わからない単語は飛ばしてOK

英検5級レベルでは、わからない単語が出てきても文全体の意味で判断できます。
1語で止まらず、次の文脈を読むことを意識すると、自然と内容がつながって見えてきます。


最後まで解き切る意識を

難しい問題で止まるよりも、まずは全問回答することを優先しましょう。
英検5級はマーク式で、間違えても減点はなし。迷ったら勘でも答えて、時間が余れば見直すのが得策です。

おすすめの練習法

英検5級のリーディング力を伸ばすには、ただ問題を解くだけでなく、正しい学習ステップで練習することが大切です。ここでは、自宅でもできる効果的な練習法を紹介します。


過去問を音読しながら意味を確認する

英検5級の過去問は最も効果的な教材です。1問ずつ意味を理解しながら、声に出して読む練習を取り入れましょう。
音読することで英文のリズムや語順に慣れ、読解スピードが自然と上がります。特に「主語+動詞+目的語」の基本文型を意識しながら読むのがポイントです。


短文を「日本語→英語」で復習する

読解力を高めるには、インプットだけでなくアウトプットも重要です。
過去問や問題集で読んだ短文を、日本語を見て英語に言い換える練習をしてみましょう。
たとえば、「私は毎日学校に行きます」→ “I go to school every day.”
この練習を繰り返すと、英語の文構造が身につき、読むときにも理解が速くなります。


スラッシュリーディングで読む感覚をつかむ

英文を意味の区切りでスラッシュ(/)を入れて読む方法です。
例:I / play soccer / after school.
このように区切って読むと、英語を「前から理解する」習慣がつきます。
スラッシュリーディングは上の級(4級、3級)でも役立つので、早めに慣れておくと◎です。


英検公式アプリやドリルを活用する

「スタディギア for EIKEN」などの公式アプリや、旺文社のドリル教材を使うと、毎日のスキマ時間で効率よく学習できます。
特にアプリでは、正答率や苦手分野が自動で分析されるため、リーディングの弱点を可視化できます。


学校の教科書で基礎英文を読む

英検5級の内容は中学英語1年の前半とほぼ同じです。教科書のダイアログ(会話文)や本文を繰り返し読むことで、自然に出題傾向に対応できます。
文法を意識しすぎず、「意味をイメージでつかむ」ように読む練習を続けましょう。


これらの方法を組み合わせて練習すると、英語を読むスピードと理解力がバランスよく伸び、英検5級のリーディングセクションで安定して高得点を狙えるようになります。

間違いやすいポイント

英検5級のリーディングは難しい文法を問うわけではありませんが、基本的な部分でミスが起きやすいのが特徴です。ここでは受験者が特によく間違えるポイントと、その対策を紹介します。


主語と動詞の関係を見落とす

「誰が」「何をするか」という文の基本構造を意識せずに読むと、意味を取り違えやすくなります。
たとえば:
He likes cats. They are very cute.
→ 「彼が猫を好き」なのか「猫が彼を好き」なのかを誤解してしまうケースがあります。
読解のときは、必ず**主語(he, she, theyなど)動詞(likes, playなど)**の関係を追いながら読みましょう。


似た選択肢に惑わされる

英検では、意味が近い単語を選択肢に並べてくることがあります。
たとえば:
A. study B. play C. watch D. listen
すべて「行動」を表す動詞ですが、文脈に合うのは1つだけです。
→ 文全体を読んで、「何について話しているか」をつかむことが大切です。


会話文で質問の意味を取り違える

“Do you like cats?” と聞かれているのに “Yes, I do.” ではなく “Yes, I am.” を選ぶミスはよくあります。
英検5級レベルでは、質問の形に合わせた返答を選ぶことが鉄則です。

  • Do you ~? → Yes, I do. / No, I don’t.

  • Are you ~? → Yes, I am. / No, I’m not.
    この形を覚えておけば、会話問題での失点を防げます。


“I think” や “I like” の主張文を読み落とす

短文読解では、筆者の意見を表す“I think ~”や“I like ~”が正解の手がかりになることがあります。
「誰が何を思っているのか・好きなのか」を見落とすと、内容一致問題でミスしやすいので注意しましょう。


単語をすべて訳そうとする

初心者がやりがちなミスが、1語1語日本語に訳してしまうこと。
英語は語順が日本語と異なるため、途中で意味がつながらなくなりがちです。
対策として、文のかたまり(主語+動詞+目的語)をまとめて理解するように心がけましょう。


これらのポイントを意識して読むことで、ケアレスミスが減り、英検5級のリーディング問題を安定して解けるようになります。

おすすめ教材・練習サイト

英検5級のリーディング対策では、教材選びがとても重要です。難しい参考書を使うよりも、基礎を楽しく・正確に学べる教材を使うことで、読解力が自然と伸びます。ここでは特におすすめの教材と練習サイトを紹介します。


英検公式問題集(旺文社)

最も信頼できる教材です。実際の試験形式に沿って作られているため、本番に近い練習ができるのが最大の強みです。

  • 過去問3回分+予想問題2回分付き

  • リスニング音声も無料ダウンロード可能

  • 解答・解説が丁寧で、初学者でも理解しやすい

リーディング対策としては、1回分をじっくり解き、わからなかった単語や文をノートにまとめるのがおすすめです。


旺文社『英検5級予想問題ドリル』

短時間で解けるドリル形式の教材で、問題慣れしたい人に最適です。
各問題に解説がついており、「なぜその答えになるのか」を理解しながら進められます。
スキマ時間に1日1ページでも続ければ、出題パターンが自然と身につきます。


スタディギア for EIKEN(公式アプリ)

英検協会が提供するオンライン学習サービスです。スマホやタブレットで手軽に練習でき、過去問や模擬テストも収録されています。
特におすすめなのは「苦手分析」機能。リーディングでどのタイプの問題が苦手なのかを自動で分析してくれます。
→ 学校や塾でアカウントをもらえる場合もあります。


無料オンライン練習サイト

  • 英検公式サイトのサンプル問題
    → 本番と同じ形式で1セット分の問題を公開。初めて受験する人にぴったり。

  • YouTubeの英検5級対策チャンネル
    → 音声付きで解説してくれる動画が多く、耳から英文を理解する練習にもなります。


教科書+音読を組み合わせる

英検5級の出題範囲は、中学英語1年の前半とほぼ同じです。学校の教科書を音読しながら意味を確認することで、自然とリーディング対策にもなります。
特に、英語を「声に出す」ことで、読解スピードが大幅にアップします。


これらの教材をバランスよく使えば、英検5級のリーディング力を短期間で伸ばすことができます。最も大切なのは、毎日少しずつでも英語を読む習慣を作ることです。

まとめ

英検5級のリーディングは、英語学習の基礎力を確認する最初のステップです。難しい単語や長文は出題されませんが、「主語と動詞の関係」「文の流れ」「文脈から意味をつかむ力」など、英語の土台となる力が問われます。

リーディングで高得点を取るためのポイントをもう一度整理すると、次の3つです。

  1. 出題パターンを理解すること
     → 空欄補充・会話文・短文読解など、型を知ることで落ち着いて解ける。

  2. 語彙力と文構造の理解をバランスよく伸ばすこと
     → 単語を覚えるだけでなく、「文の中でどう使われているか」を意識して読む。

  3. 日々の練習を積み重ねること
     → 過去問やアプリを使い、毎日少しでも英語に触れる習慣をつける。

リーディングは「量×継続」が力になります。毎日10分でも英語を読む時間を確保し、少しずつ「英語のまま理解できる感覚」を身につけていきましょう。英検5級を通して、英語を読むことが楽しくなるはずです。

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