英検5級リスニング対策:よく出るパターンと練習法
はじめに
英検5級のリスニングは、初めて英語の試験を受ける人にとって最も取り組みやすいパートでありながら、実は合否を分ける重要な部分です。単語や文法の知識があっても、英語の音に慣れていないと正しい答えを選ぶのは難しくなります。
リスニング問題では、あいさつや日常会話、数字や時間など、身近なテーマが多く出題されます。出題傾向を理解し、よく出るパターンに慣れておくことで、試験中に焦らず落ち着いて聞けるようになります。
この記事では、英検5級のリスニングでよく出る問題パターンと、家庭でも実践できる効果的な練習法をわかりやすく紹介します。
英検5級リスニングの概要
英検5級のリスニングテストは、全部で25問前後あり、試験全体の約3分の2を占める重要なパートです。音声はすべて1回のみ放送され、選択肢の中から正しい答えを選びます。
問題は大きく3つのパートに分かれています。
パート1:短い会話の応答問題
1往復の簡単な会話を聞き、最も自然な受け答えを選びます。
例)
A: How are you?
B: (1) Yes, I am. (2) I’m fine. (3) I don’t know.
→ 正解: (2) I’m fine.
パート2:会話内容理解問題
2〜3往復の会話を聞き、会話の内容に関する質問に答えます。
登場人物の関係や話題(学校・買い物・家族など)を把握することが大切です。
パート3:説明文+イラスト問題
短い説明文を聞き、その内容に合った絵を選ぶ問題です。
音声を聞きながら、動作や状況をイメージする力が問われます。
リスニングの難易度は決して高くありませんが、英語の音になれていないと簡単な単語も聞き取りにくくなります。日常的に英語を聞く習慣をつけることが、合格への第一歩です。
よく出るリスニングのパターン
あいさつ・定型表現
英検5級のリスニングで最も頻出なのが、あいさつや基本的な受け答えです。
定型表現をそのまま覚えておくと、反射的に答えられるようになります。
例:
- 
“How are you?” → “I’m fine, thank you.” 
- 
“Good morning.” → “Good morning.” 
- 
“See you.” → “See you.” 
これらは、スクリプトを見なくても自然に口から出るように練習しましょう。
学校生活・家族・日常の話題
リスニングでは、日常会話を想定した内容が多く出題されます。
登場するテーマの多くは、小学生が身近に感じるものです。
例:
- 
“My brother plays soccer every day.” 
- 
“I go to school by bus.” 
- 
“Let’s go to the park.” 
このような文を聞いたときに、人物・動作・場所を素早くイメージできるようにしておきましょう。
数字・時間・日付の聞き取り
数字を使った問題も頻繁に出ます。英語では、日本語と違ってリズムが一定でないため、慣れが必要です。
例:
- 
値段(How much is this pencil? → Twenty-five yen.) 
- 
時刻(What time is it? → It’s three o’clock.) 
- 
曜日・月(When is your birthday? → In May.) 
数字や曜日の発音をCDやアプリで繰り返し聞くと、自然と耳が慣れてきます。
指示・行動を表す表現
イラスト問題では、「行動」に関する指示を理解できるかが鍵です。
例:
- 
“Open your book.” 
- 
“Sit down, please.” 
- 
“Draw a cat.” 
動詞の聞き取りに注意しながら、聞こえた動作をイメージで結びつける練習をしましょう。
効果的なリスニング練習法
1. 毎日5分の「英語の音に慣れる時間」をつくる
英語を聞き取れるようになるには、毎日少しずつ英語の音に触れることが大切です。
最初は内容がわからなくても構いません。英語のリズム・イントネーション・発音に慣れることを目的にしましょう。
おすすめは、英検公式アプリやNHKの「基礎英語」など、短い音声教材を毎日5分程度聞くことです。
同じ音声を繰り返し聞くことで、徐々に聞き取れる単語が増えていきます。
2. 過去問の音声を「聞く → 真似する」練習
過去問の音声を使った練習は、実戦力をつける最も効果的な方法です。
手順は以下の通りです。
- 
普通に音声を聞いて内容を理解する 
- 
もう一度聞きながら音声のあとに続けて発音する(リピーティング) 
- 
慣れてきたら、同時に発音する(シャドーイング) 
この練習を繰り返すことで、耳と口が同時に鍛えられ、英語の音が自然に入ってくるようになります。
3. 絵を見ながら聞くトレーニング
5級のリスニングでは、絵と音声を組み合わせた問題が多く出ます。
そのため、音をイメージ化する練習が効果的です。
英検の過去問や教材のイラストを見ながら音声を聞き、「何をしているのか」「どんな場面か」を想像してみましょう。
視覚情報と音声情報を組み合わせることで、理解スピードが格段に上がります。
4. 聞き取れなかった単語をそのままにしない
「聞き取れなかった=知らない」ではなく、「音として認識できていない」ことが多いです。
聞き取れなかった単語は、発音・アクセント・例文と一緒に確認し、音声付き単語帳で復習しましょう。
自分が知っている単語を「聞いて理解できる単語」に変えていくことが、リスニング上達の鍵です。
リスニングで失点しないためのコツ
1. 音声が流れる前に選択肢をざっと読む
リスニングでは音声が1回しか流れないため、先に選択肢を読んでおくことが重要です。
問題文を聞く前に、どんな答えが来そうかをイメージしておくと、聞き取りやすくなります。
2. 会話の最初と最後に注目する
多くの問題では、会話の最初や最後に答えのヒントが含まれています。
特に最後の一言が「結論」になっていることが多いので、集中して聞きましょう。
例:
A: Let’s go to the park.
B: Sorry, I have to do my homework.
→ 答えは「行かない」という内容。最後のセリフがポイントです。
3. 聞き取れない単語があっても気にしない
途中で知らない単語が出ても、焦る必要はありません。
前後の文脈で大まかな意味をつかむことが大切です。
**「全部わからなくても、意味の流れで推測する」**ことができれば十分合格点が取れます。
4. 一度わからなくても、気持ちを切り替える
英検の音声は一度きり。わからなかった問題に固執すると、次の問題まで聞き逃す危険があります。
「次は絶対聞く!」という気持ちで、テンポよく進めましょう。
5. 本番前に「集中力トレーニング」をしておく
リスニング試験は10分以上続くため、集中力が切れやすいです。
事前に過去問を本番と同じ時間で解く練習をしておくと、耳の持久力がつきます。
試験では、完璧に聞き取るよりも「落とさない問題を確実に取る」意識が重要です。
聞く前の準備と、焦らず切り替える心構えで得点を安定させましょう。
おすすめ教材・アプリ
英検公式過去問集(音声付き)
最も信頼できるリスニング教材です。実際の試験と同じ形式・音声スピードで練習できるため、本番の感覚をつかむのに最適です。問題を解くだけでなく、スクリプトを読んで「聞き取れなかった理由」を確認しましょう。
旺文社『英検5級リスニング問題集』
テーマ別・形式別に問題が整理されており、弱点対策に向いています。解説がわかりやすく、短時間で集中して学習できます。
スタディギア for EIKEN(公式アプリ)
英検協会が提供する無料アプリで、過去問形式のリスニング練習が可能です。自動採点や音声の再生速度変更機能もあり、スマホでスキマ時間学習にぴったりです。
NHK「小学生の基礎英語」シリーズ
英検5級レベルのリスニング練習に最適な教材です。日常会話を通して、発音・イントネーションを自然に身につけられます。音声とスクリプトを繰り返し使えば、リスニング力だけでなくスピーキング力も伸ばせます。
YouTube・Podcastの子ども向け英語チャンネル
無料で聞ける素材も積極的に活用しましょう。
おすすめテーマ:
- 
子ども向け英語ストーリー(簡単な童話など) 
- 
英語の歌やチャンツ(英語のリズムを楽しく覚えられる) 
- 
英検対策チャンネル(リスニング模擬練習) 
教材を1つに絞る必要はありません。楽しく続けられる音源を見つけることが、リスニング上達の一番の近道です。
まとめ
英検5級のリスニングは、単語や文法よりも英語の音に慣れているかどうかが合否を左右します。内容自体は難しくないため、正しい練習法を続ければ誰でも得点を伸ばすことができます。
ポイントをもう一度整理すると次の通りです。
- 
出題パターンを知る(あいさつ・日常会話・数字・指示など) 
- 
毎日5分でも英語を聞く習慣をつける 
- 
過去問音声を真似して話す(リピーティング・シャドーイング) 
- 
絵と音を結びつける練習をする 
- 
焦らず聞く姿勢を保ち、聞き取れない単語を復習する 
リスニング力は「耳を慣らすこと」で必ず伸びます。焦らず、コツコツ続けていきましょう。
毎日の小さな積み重ねが、英検合格への確かなステップになります。
英検5級のリスニングは何問で、放送回数は何回ですか?
おおよそ25問前後で、音声はすべて1回のみ放送されます。時間内に集中して聞けるよう、事前に選択肢へ目を通しておくのが有効です。
どんなテーマがよく出ますか?
あいさつ・定型表現、学校生活、家族・友だち、買い物、数字・時間・曜日、簡単な指示(Open your book. など)が頻出です。
短期間で点を伸ばすには何から始めればいいですか?
過去問音声を使い「聞く→リピート→シャドーイング」の順で練習します。同一素材を繰り返すほど効果が出ます。
毎日の練習時間はどれくらいが目安ですか?
まずは1日5分からでOKです。短時間でも毎日続けることで英語のリズムと音に慣れます。余裕があれば10〜15分へ拡張しましょう。
聞き取れなかった単語はどう対処すべき?
放置せず、意味・発音・例文を確認します。音声付き単語帳で「知っている単語」を「聞き取れる単語」に変換するのがポイントです。
数字や時間の対策は?
値段・時刻・曜日・月をセットで練習します。1〜60、10刻み、15・30・45分(quarter/half)の聞き取りに重点を置きましょう。
イラストを選ぶ問題はどう解けばいい?
動作の動詞に集中し、聞こえた情報を素早くイメージ化します。音を聞きながら「人・場所・行動」を結びつけるのがコツです。
本番で焦らないコツはありますか?
音声前に選択肢をざっと確認し、会話の最初と最後に特に注意します。わからない問題は切り替えて次へ進み、失点の連鎖を防ぎます。
おすすめの練習教材は?
英検公式過去問音声、旺文社のリスニング問題集、スタディギア for EIKEN、NHK「小学生の基礎英語」など、音声が充実した教材を活用しましょう。
親子での学習サポートはどうすればいい?
保護者は「毎日5分」の時間確保とチェック表づくりを手伝い、同じ音源を繰り返し使えるよう環境を整えると継続しやすくなります。
リスニングが苦手でも合格できますか?
はい。頻出パターンの把握と反復練習で十分に合格点は狙えます。満点を目指すより「落とさない問題を確実に取る」戦略が効果的です。
試験直前の最終チェックは何をするべき?
過去問1回分を本番と同じ通しで解き、聞き取りにくかった箇所だけスクリプトで確認。最後にあいさつ・数字・時間の定型表現を口に出して復習します。

 
		 
		 
			 
			 
			 
			 
			