目次
- 高校生の英検準2級・2級合格ロードマップ
- はじめに
- 英検準2級・2級のレベルを理解しよう
- ステップ1:現状のレベルをチェックしよう
- ステップ2:4技能をバランスよく鍛える(1〜2か月)
- ステップ3:過去問で実戦力をつける(2〜3か月)
- ステップ4:ライティングとスピーキングを集中強化(試験前1か月)
- ステップ5:試験直前の総仕上げ(残り2週間)
- 英検準2級から2級へのステップアップ戦略
- 合格までのモデルスケジュール(5か月プラン)
- まとめ
- よくある質問(FAQs)
- 英検準2級と2級の違いは?
- 高校生はどの学年でどの級を目指すべき?
- 合格までの学習期間の目安は?
- どれくらい正答できれば一次試験の合格圏?
- 最初にやるべきことは?
- おすすめの学習配分は?
- 語彙はどう増やす?
- リスニングが苦手です。最短の伸ばし方は?
- ライティングのテンプレは?
- 二次(面接)対策は何をすればいい?
- 過去問は何年分やる?
- 部活や受験勉強と両立するコツは?
- 準2級合格後、どのくらいで2級へ?
- 教材は何を使えばいい?
- 直前2週間は何をする?
- 英作文の語数が足りません
- 英検対策は入試や留学に有利?
- 一度不合格でもモチベが続きません
- 独学でも大丈夫?塾やオンラインは必要?
- どの技能から手をつけるべき?
- 合格ラインに届いているかの判断基準は?
高校生の英検準2級・2級合格ロードマップ
はじめに
高校生になると、「英検を受けておこう」と考える人が一気に増えます。
中学で3級まで取っていた人は次のステップとして準2級を、高校で実力を伸ばしたい人や大学入試に備えたい人は2級を目標にするケースが多いでしょう。
英検準2級・2級は、どちらも高校英語の集大成ともいえるレベルです。
リーディングやリスニングだけでなく、ライティングやスピーキングも問われるため、バランスの取れた英語力が必要になります。
この記事では、高校生が効率よく準2級・2級に合格するための実践ロードマップを紹介します。
レベルの違い、勉強の進め方、スケジュールの立て方、そして使用教材の選び方まで、今日から実行できる具体的なステップで解説していきます。
英検準2級・2級のレベルを理解しよう
まずは、目標となる級のレベルをしっかり把握することが大切です。
「どんな力が求められているのか」を理解しておくことで、学習の方向性が明確になります。
英検準2級のレベル
英検準2級は高校中級程度の英語力が求められます。
日常生活や学校生活で出てくるトピックを理解し、簡単な意見を英語で表現できるレベルです。
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リーディング:短い説明文や会話を正確に読める
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リスニング:日常的な会話を聞き取り、内容を把握できる
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ライティング:自分の考えを60語程度でまとめられる
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スピーキング:身近な話題について受け答えができる
この級に合格できれば、**「実用的な英語の基礎力がある高校生」**と評価されます。
英検2級のレベル
英検2級は**高校卒業程度(大学入試レベル)**の英語力を示します。
社会的なテーマやニュース記事の要約など、より高度な内容に対応する力が必要です。
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リーディング:やや長い論説文やニュース英文の読解
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リスニング:ナレーションやインタビュー形式の理解
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ライティング:賛否を明確にした意見文(80〜100語)を作成
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スピーキング:意見や理由を論理的に説明できる
大学入試の英語問題にスムーズに対応できるレベルであり、英検2級合格=大学受験英語の基礎完成とも言われます。
準2級→2級の位置づけ
準2級から2級へのステップアップでは、語彙・長文読解・論理的表現の3つが大きな壁になります。
ただし、準2級をしっかりマスターすれば、2級の内容はスムーズに理解できるようになります。
英検準2級は「高校1〜2年で合格」、英検2級は「高校3年で合格」を目標にするのが一般的です。
ステップ1:現状のレベルをチェックしよう
まず最初にやるべきことは、自分の「今の実力」を知ることです。
闇雲に勉強を始めるよりも、現状を把握してから弱点を補う方が、合格までの時間を大きく短縮できます。
模擬テストや過去問で力を測る
英検公式サイトには、無料のサンプル問題や過去問が公開されています。
これを使って、リーディング・リスニング・ライティング・スピーキングの4技能をチェックしましょう。
チェックポイント例
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リーディング:語彙や文法の理解は十分か?
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リスニング:ナチュラルスピードでも聞き取れるか?
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ライティング:理由を英語で2つ書けるか?
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スピーキング:質問に1文で答えられるか?
結果を分析して学習方針を立てる
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リーディング・語彙が弱い → 単語帳+文法書で基礎強化
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リスニングが弱い → 毎日10分のシャドーイング練習
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ライティングが苦手 → テンプレート練習で構成を定着
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スピーキングが苦手 → 音読・模擬面接を繰り返す
英検準2級を目指すなら、まず6割程度の正答率を目標に。
すでに準2級を持っている人が2級を受ける場合は、過去問で5割取れるかどうかがスタートラインになります。
ポイント
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勉強開始前に1度は過去問を時間通りに解いてみる
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弱点ノートを作り、伸ばすべき分野を明確化する
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得意・不得意を意識して計画を立てる
このステップを丁寧に行うことで、次に何をすべきかがはっきり見えてきます。
ステップ2:4技能をバランスよく鍛える(1〜2か月)
英検は「読む・聞く・書く・話す」の4技能をすべて問う試験です。
高校英語ではリーディング中心になりがちですが、英検ではリスニング・ライティング・スピーキングの比重も高いため、バランスの取れた学習が合格への近道です。
リーディング:語彙と文構造の基礎を固める
単語・熟語の理解が読解力に直結します。
おすすめは『英検準2級 でる順パス単』や『英検2級 でる順パス単』。
1日30〜50語を覚えるペースで進め、例文も声に出して読むと記憶に残りやすくなります。
コツ
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単語カードアプリ(スタディサプリENGLISHなど)を活用
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品詞・意味・例文をセットで覚える
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長文読解では「主語・動詞・接続詞」を意識する
リスニング:耳を慣らす+音のパターンを覚える
最初はスピードについていけなくても大丈夫です。
英検のリスニングは出題形式が決まっているため、慣れが非常に重要です。
学習法
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公式問題集の音声を毎日10〜15分聞く
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スクリプトを見ながらシャドーイング(音真似)練習
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1回聞いて理解できなかった部分をディクテーション(書き取り)
ライティング:型を覚えてから書く
英作文は「自由に書く」よりも「構文を覚えて使う」ほうが効率的です。
まずは以下の3文構成を身につけましょう。
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意見(I think〜.)
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理由1(because〜.)
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理由2(Also,〜.)
例
I think students should study abroad.
Because it helps them learn other cultures.
Also, they can improve their English skills.
このテンプレートを使えば、どんなトピックでも安定した点が取れます。
スピーキング:口に出して慣れる
英検二次試験では、短い文章を読んで質問に答える形式です。
最初は恥ずかしくても、声に出して練習することが最も効果的です。
練習法
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録音アプリを使って自分の発音を確認
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面接カード例を使って模擬練習
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“I think…” “In my opinion…” “For example…”などの表現を口に出す
4技能の基礎を2か月で固めることで、次の「実戦演習期」にスムーズに進めます。
ステップ3:過去問で実戦力をつける(2〜3か月)
基礎力が固まったら、次は過去問中心の実戦練習に入ります。
英検は出題形式が毎回似ているため、過去問を繰り返し解くことで「出題パターン」と「時間配分」に慣れることができます。
過去問を使った学習の流れ
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本番と同じ時間で解く(タイマーを使う)
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間違えた問題を分析(なぜ間違えたのかをメモ)
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翌日もう一度、同じ問題を解く
この3ステップを守ることで、理解が定着しやすくなります。
特にリーディングとリスニングは「量をこなす」ことが得点アップの鍵です。
リーディング:読解スピードを上げる
英検では制限時間が短いため、読解スピードを上げる練習も必要です。
過去問を使って1日1題ずつ解き、徐々に読むスピードを意識しましょう。
ポイント
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接続詞(however, thereforeなど)で文の流れをつかむ
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各段落の主題文を見つける練習をする
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分からない単語が出ても止まらず、文全体の意味で推測
リスニング:スクリプト分析で弱点克服
過去問を解いた後は、必ずスクリプトを見ながら復習しましょう。
1回目は聞き流し、2回目はスクリプトを見て内容を確認、3回目は聞きながら音読を行うと効果的です。
おすすめ練習法
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ディクテーション(聞き取って書き取る)
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同じ音声を1週間繰り返す
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“What does the woman mean?” のような設問パターンを暗記
ライティング:過去問テーマで練習
過去問に出た英作文テーマは繰り返し出題される傾向があります。
「教育」「テクノロジー」「環境」など、主要トピックをまとめておくと便利です。
例題
Do you think students should have part-time jobs?
テンプレートを使って自分の意見を60〜80語で書く練習をしましょう。
スピーキング:模擬面接で実戦感覚をつかむ
英検バーチャルスピーキングや、YouTubeの模擬面接動画を活用しましょう。
実際に声に出して練習することで、本番でも落ち着いて答えられるようになります。
目標
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過去問3年分を解く
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リーディングで7割以上、リスニングで6割以上を安定
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英作文を5テーマ以上書いて添削する
このステップを終える頃には、試験全体の流れを完全に把握できるようになります。
ステップ4:ライティングとスピーキングを集中強化(試験前1か月)
英検準2級・2級の一次試験で差がつくのがライティング、そして二次試験で重要なのがスピーキングです。
この2つは「短期間でも得点を伸ばしやすい」パートなので、最後の1か月で集中的に鍛えましょう。
ライティング:型を完璧にする
英作文は自由に書くものではなく、「決まった型」で採点されます。
そのため、テンプレートを覚えて使いこなすことが合格への最短ルートです。
英作文の基本構成(3段落構成)
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Introduction(意見):I think〜.
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Body(理由):First,〜. Second,〜.
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Conclusion(まとめ):That’s why I think〜.
例文
I think students should join school clubs.
First, they can make many friends.
Second, they can learn teamwork.
That’s why I think students should join school clubs.
このように、「シンプル・明確・文法ミスが少ない」文章が高得点につながります。
内容の深さよりも文法の正確さと構成力を重視しましょう。
スピーキング:模擬面接で練習量を稼ぐ
スピーキング(二次試験)は、面接官とのやりとりを通して自分の意見を話すテストです。
実際に声を出す練習が最も効果的で、静かに読むだけではスコアが伸びません。
面接の流れ
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入室・挨拶
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パッセージを音読
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内容に関する質問(Q1〜Q4)
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自分の意見を問う質問(Q5)
練習のコツ
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鏡を見ながら笑顔で話す練習をする
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模擬面接の動画(YouTubeなど)で質問パターンを覚える
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毎日1回、録音して発音やテンポを確認する
特に「Q5(意見を問う質問)」では、以下のようにテンプレート回答を使うと安定します。
質問例: Do you think it is good for high school students to study abroad?
答え方: Yes, I do. Because they can experience different cultures and improve their English.
このように短くても「理由を2つ述べる」ことが重要です。
実戦練習のすすめ
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週1回は本番と同じ形式で模擬面接を行う
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英作文は1日1題書いて添削(AIや先生に見てもらう)
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リスニング・スピーキングは音読を欠かさない
目標
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ライティングで7割以上安定して得点できる
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面接カードをスラスラ音読できる
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どんな質問にも1文で即答できる
この1か月で「話す・書く」に自信をつけることで、試験本番で落ち着いて対応できるようになります。
ステップ5:試験直前の総仕上げ(残り2週間)
試験まで残り2週間になったら、新しい教材に手を出さず、これまでの復習と仕上げに集中しましょう。
ここからの2週間は「知識の上乗せ」よりも「安定した得点力」を磨く期間です。
過去問で最終チェック
直前期は、過去問3回分を本番と同じ時間で解くのがおすすめです。
時間配分を意識しながら解くことで、試験当日のペース感をつかめます。
ポイント
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リーディング:1問あたり1分以内で解く練習
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リスニング:聞き逃した部分をスクリプトで確認
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ライティング:テンプレートを使って制限時間15分以内で書く
終わったら、必ず間違いノートにまとめましょう。
「どんな単語・文法でつまずいたか」を振り返ることで、弱点が明確になります。
単語・熟語の最終確認
毎日のスキマ時間で『でる順パス単』を見直します。
試験直前は、新しい単語を覚えるより既習語を完璧にするのがコツです。
復習法
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朝:1日分の単語を音読
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昼:アプリでクイズ形式に復習
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夜:赤シートで最終チェック
このルーティンを2週間続けるだけで、語彙の抜け漏れがなくなります。
リスニング・スピーキングの感覚維持
試験直前は「聞く・話す」を毎日少しでも継続しましょう。
耳と口を動かしておくことで、本番の緊張を和らげることができます。
おすすめ練習
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英検公式の音声を1日15分聞く
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面接カードを使って1問1答を音読
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録音して自分の発音をチェック
試験前日〜当日の過ごし方
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前日は軽い復習と早めの就寝
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当日は「リスニング音声を1トラック」だけ聞いてウォームアップ
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会場には余裕を持って到着(開始30分前が理想)
緊張しても、深呼吸して「今までやってきたことを出すだけ」と自分に言い聞かせましょう。
チェックリスト(最終確認)
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過去問3年分を解いた
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英作文テンプレートを覚えた
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面接練習を3回以上した
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単語帳を2周以上終えた
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リスニング音声を毎日聞いた
試験直前の2週間は、焦らず・詰め込みすぎず、**「自信をつくる期間」**と考えるのがポイントです。
これまでの努力を信じて、落ち着いて本番に臨みましょう。
英検準2級から2級へのステップアップ戦略
英検準2級に合格したら、次の目標はもちろん英検2級です。
準2級と2級の間には、語彙量・長文の難易度・ライティングの内容などで明確な差がありますが、正しい方法で取り組めば半年〜1年で到達可能です。
ステップ1:語彙力を一段階引き上げる
英検2級では、社会問題や時事的なテーマの単語が多く出ます。
たとえば environment(環境)、government(政府)、technology(技術)など、抽象的な語彙が頻出です。
おすすめ教材
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『英検2級 でる順パス単』
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『英検2級 文で覚える単熟語』
1日30語ペースで進め、1冊を3周以上繰り返すのが理想です。
英単語は「見て終わり」ではなく、「声に出す・書く・例文を作る」で定着します。
ステップ2:長文読解のレベルアップ
準2級では日常的な話題中心ですが、2級では論理的な説明文や意見文が増えます。
スピードと理解力の両方を鍛える必要があります。
おすすめ練習法
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過去問や『英検2級 長文読解問題集』で毎日1題
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「主張(main idea)」と「根拠(reason)」を意識して読む
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段落ごとに要約してみる(英語または日本語でOK)
読解力が上がると、リスニングやライティングにも良い影響があります。
ステップ3:ライティングで論理的に書く練習
2級の英作文では、「Yes/No」だけでなく理由を2つ+まとめが求められます。
準2級のテンプレートをベースに、少し発展させましょう。
テンプレート例
I think high school students should have part-time jobs.
First, they can learn how to manage money.
Second, they can gain work experience.
That’s why I think it is good for them to work part-time.
このレベルの文章を安定して書ければ、2級のライティングは十分合格圏内です。
ステップ4:時事英語・ニュース英語に触れる
2級では「教育」「テクノロジー」「社会」「環境」「健康」などのテーマが頻出。
普段から時事英語に慣れておくと、語彙・背景知識ともに伸びます。
おすすめ教材
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『CNN ENGLISH EXPRESS』
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NHK WORLD Easy News
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YouTubeの英語ニュースチャンネル(1日10分)
「英語ニュースを聞き取る」よりも、「知らない単語をメモして調べる」姿勢が大切です。
ステップ5:試験スケジュールを逆算して計画する
準2級合格から半年後〜1年後を目安に2級受験を設定しましょう。
たとえば次のような流れが理想です。
| 月数 | 学習内容 | 目標 |
|---|---|---|
| 1〜2か月目 | 単語・文法の復習、準2級の復習 | 語彙2000語完成 |
| 3〜4か月目 | 2級レベルの長文・リスニング練習 | 模試で6割超え |
| 5〜6か月目 | ライティング・スピーキング集中 | 合格ライン到達 |
準2級で身につけた「基礎力」を土台に、語彙・読解・表現を少しずつ広げることが2級への鍵です。
焦らず、“次のレベルの自分”を目指して段階的に進むのが最も効率的です。
