目次
大学生の英検準1級挑戦法と勉強スケジュール
はじめに
大学生のうちに英検準1級に挑戦することは、将来の選択肢を大きく広げるチャンスです。
就職活動での英語力アピールはもちろん、交換留学や大学院進学、さらには国際的なキャリアを目指すうえでも「準1級」という肩書きは強力な武器になります。
一方で、準1級は英検の中でも難易度が高く、「語彙が難しい」「長文が抽象的」「ライティングが書けない」と感じる大学生も少なくありません。
しかし、正しい勉強法とスケジュールを立てれば、大学の講義やアルバイトと両立しながら半年〜1年での合格も十分に可能です。
この記事では、大学生が英検準1級に挑戦するための効果的な勉強法と現実的な学習スケジュールを、実践的な視点からわかりやすく解説します。
「次の試験で必ず合格したい」「今のうちに上級レベルの英語力を身につけたい」という人は、ぜひ参考にしてください。
英検準1級のレベルを理解しよう
英検準1級は、大学中級〜上級レベルの英語力が求められる試験です。
英検2級までが「日常会話や高校英語の延長」であるのに対し、準1級は「社会問題や時事テーマを英語で論理的に理解・発信できるか」が問われます。
英検準1級の目安レベル
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CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠):B2〜C1相当
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TOEIC換算スコア:約800〜900点
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TOEFL iBT換算:約80点前後
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大学英語力としての目安:英文ニュースや海外論文をスムーズに読めるレベル
つまり、英検準1級は「英語を使って学ぶ・議論する」ための基礎力を証明する資格です。
語彙力・読解力・リスニング力・論理的思考力のすべてが求められます。
試験構成の概要
| セクション | 内容 | 配点 | 時間 |
|---|---|---|---|
| リーディング | 語彙+長文読解 | 約41点 | 約75分 |
| リスニング | 会話・講義・説明音声 | 約29点 | 約30分 |
| ライティング | 意見エッセイ(120〜150語) | 約28点 | 約30分 |
| スピーキング(二次試験) | 意見表現・質疑応答 | 約33点 | 約7分 |
準1級の合格には、**英語の「使える力」**が重視されます。
単なる暗記や読解練習だけでは不十分で、「自分の考えを英語で組み立てる力」まで磨く必要があります。
大学生が英検準1級を取るメリット
英検準1級は、大学生にとって「努力が最も評価されやすい英語資格」の一つです。
TOEICやTOEFLと違い、英検は国内外の大学・企業で知名度が高く、バランスの取れた英語力を示す証明として信頼されています。
ここでは、大学生が準1級を取得することで得られる具体的なメリットを紹介します。
1. 就職活動での強力なアピールになる
多くの企業が、英検準1級を「英語ができる人材」の基準としています。
特に外資系、商社、航空、ホテル、観光、教育業界などでは、英検準1級を持っていると履歴書で一目置かれる存在になります。
TOEICスコアと並べて記載すれば、英語4技能のバランスを示す説得力あるアピールになります。
2. 大学内の単位認定・奨学金で有利
英検準1級を取得すると、大学の英語必修科目の単位が免除されたり、成績評価の加点対象になる場合があります。
また、「語学力を条件とする奨学金」や「短期留学プログラム」の応募資格としても活用できるため、留学志望の学生にも大きなチャンスです。
3. 留学・大学院進学へのステップアップ
英検準1級で培う英語力は、IELTSやTOEFLなどの海外大学入試にも通じる実践力です。
特にライティングとスピーキングのスキルが求められるため、留学後の授業や研究でもスムーズに対応できるようになります。
4. 英語力の「自信」として残る
大学生のうちに準1級を取ることで、「自分はここまでできる」という自信が生まれます。
その後の資格試験(TOEIC満点、英検1級など)へのモチベーションにもつながり、長期的に英語学習を続ける土台になります。
学習の全体戦略:大学生活と両立する3ステップ
英検準1級の合格には、短期間の詰め込みよりも「計画的・継続的な学習」が重要です。
大学生活は授業・アルバイト・サークルなどで忙しくなりがちですが、正しい順序で力を伸ばせば、半年〜1年で合格を狙うことができます。
ここでは、大学生が現実的に取り組める3ステップの学習戦略を紹介します。
ステップ1:語彙とリーディングの基礎固め(1〜2か月目)
まずは「英検準1級 でる順パス単」などの定番単語帳を使い、語彙力の土台を築きます。
1日200語を目安に、アプリ(Quizletなど)で反復暗記を行いましょう。
あわせて長文読解にも慣れることが大切です。
英検公式過去問や、BBC・CNNのニュース記事を多読し、英文構造と論理展開をつかむ練習をします。
ポイント:
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毎日少しでも英語に触れる習慣をつける
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長文は「1日1題」でも継続することが重要
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わからない単語をそのままにせず「文脈で推測」するクセをつける
ステップ2:リスニングとライティング強化(3〜4か月目)
語彙と読解の基礎が固まったら、次はリスニングとライティングです。
英検準1級のリスニングはニュース調の音声が多く、スピードも速いため、日常英語だけでは対応できません。
おすすめ学習法:
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過去問リスニング音声を毎日1回聞く(シャドーイング効果あり)
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TED TalksやNHK WORLDで講義形式の英語を聞く
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週に1本、英検形式のエッセイを書く(120〜150語)
英作文では「主張 → 理由2つ → 結論」という構成を意識しましょう。
書いたエッセイは、友人やオンライン添削サービスでチェックしてもらうと効果的です。
ステップ3:実戦演習とスピーキング対策(5〜6か月目)
最後の2か月は、実戦練習と面接(二次試験)対策に集中します。
過去問を使って模擬試験を行い、時間配分や解答の精度を確認しましょう。
実践のポイント:
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過去問・模試を週1回ペースで解く
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自分の回答を録音してスピーキングをセルフチェック
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オンライン英会話(例:DMM英会話、NativeCampなど)で英検面接形式を練習
スピーキングでは、難しい単語を使うよりも、簡潔で論理的に意見を述べることが高評価につながります。
6か月合格スケジュール例(大学生向け)
大学生活と両立しながら英検準1級に合格するためには、無理のない計画を立てることが大切です。
ここでは、1日1〜2時間の学習時間を確保できる大学生向けの「6か月合格スケジュール例」を紹介します。
| 月 | 学習内容 | 目標 |
|---|---|---|
| 1か月目 | 語彙力強化(でる順パス単1周)/英文法・構文の復習 | 基礎単語を定着させる/文構造を正確に理解 |
| 2か月目 | 長文読解練習(過去問・問題集)/語彙の応用 | 長文読解の正答率70%を目指す |
| 3か月目 | リスニング基礎+ライティング練習開始 | 意見エッセイの基本構成をマスター |
| 4か月目 | 模試形式リスニング・英作文添削/語彙の苦手克服 | 本番スピードに慣れる |
| 5か月目 | 二次試験対策(スピーキング)+模試反復 | 英語で意見を即答できるようにする |
| 6か月目 | 総仕上げ:過去問実践+弱点補強 | 合格ライン(CSEスコア)を安定して超える |
週ごとの学習イメージ
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月曜〜金曜: 通学時間・すきま時間で単語+リスニング
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土曜: 模試または長文問題1セット
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日曜: エッセイ作成・スピーキング練習
大学の授業やアルバイトが忙しい時期でも、「1日1時間×6か月」=約180時間の積み上げで合格レベルに到達できます。
重要なのは「継続」と「振り返り」。毎月1回は模試を解き、得点推移をチェックすることで、自分の成長を実感できます。
効率を上げる学習ツール・教材
英検準1級の勉強を効率的に進めるには、「教材選び」と「デジタル活用」がカギになります。
大学生は授業・アルバイトなどで時間が限られるため、スマホやアプリをうまく使うことで学習効率を大幅に上げることができます。
ここでは、分野別におすすめの教材とツールを紹介します。
語彙対策:アプリと単語帳を併用
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『英検準1級 でる順パス単』(旺文社)
最も定番の単語帳。1日200語ペースで進めるのが理想です。 -
Quizlet/Anki
パス単の単語を自作または共有デッキで登録し、通学中に復習。
スペースドリピティション(間隔反復)で記憶の定着を高められます。
コツ:
単語を「意味だけ」でなく、例文・品詞・使い方ごと覚えると読解とライティングで生きてきます。
リーディング対策:論理構造を意識
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『英検準1級リーディング問題120』(旺文社)
実際の出題傾向に近く、テーマ別で練習できる。 -
The Japan Times / BBC Learning English
時事英語を日常的に読む習慣をつけることで、背景知識も強化できる。
コツ:
英文を「段落ごとの主張」として整理する。1文ごとに訳すより、全体の流れを理解する練習を重視。
リスニング対策:多様な英語音声に慣れる
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英検公式サイトの過去問音声
実際の試験形式に慣れるには最適。 -
TED Talks/NHK WORLD/BBC Podcasts
速い英語・多様なアクセントに触れる練習に最適。
コツ:
1回聞いて終わりではなく、ディクテーション(書き取り)→シャドーイングを繰り返すと劇的に伸びます。
ライティング対策:構成力を磨く
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『英検準1級ライティング大特訓』(Jリサーチ出版)
英作文のテーマ別構成・表現が身につく。 -
添削ツール(Lang-8/Grammarly)
書いたエッセイをすぐに添削・改善できる。
コツ:
書く前に主張 → 理由2つ → 結論の型をメモすることで、安定した構成が作れる。
スピーキング対策:アウトプットを増やす
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オンライン英会話(DMM英会話/NativeCampなど)
「英検準1級 面接対策コース」を活用。 -
英検バーチャル二次試験アプリ
実際の試験形式をシミュレーションできる。
コツ:
「完璧な文法よりも、伝える意識」を重視。テンプレート表現(I believe that~/In my opinion~など)を使いこなそう。
モチベーション維持のコツ
英検準1級の学習は長期戦になりがちで、途中でモチベーションが下がることもあります。
特に大学生活では、試験やアルバイト、友人との予定などで勉強リズムが乱れやすいため、「続ける仕組み」を作ることが大切です。
ここでは、学習を継続しやすくするためのコツを紹介します。
1. 進捗を「見える化」する
人は成果が見えないと続けにくいものです。
学習アプリやノートを使って、毎日の勉強時間・単語数・模試結果を記録しましょう。
おすすめは、Studyplusなどの学習記録アプリ。
グラフで学習量が増えていくのを見ると、自然とモチベーションが上がります。
2. SNSで仲間とつながる
英検準1級を目指している人は多く、X(旧Twitter)やInstagramで「#英検準1級」「#英語学習垢」などのタグを検索すると、同じ目標を持つ仲間が見つかります。
他の人の勉強報告を見ることで刺激を受け、自分の進捗を投稿すれば「やる気スイッチ」になります。
3. 週ごとに小さな目標を立てる
「今週はパス単を500語」「今週は過去問を1回分」など、短期目標を設定するのがおすすめです。
6か月先のゴールだけを見ていると遠く感じますが、1週間単位での達成を積み重ねれば、合格までの道のりが明確になります。
4. 英語を「勉強」ではなく「日常」にする
英語を勉強科目と捉えると、モチベーションが維持しづらくなります。
ニュース・映画・YouTube・音楽など、日常の中に英語を取り入れましょう。
おすすめの取り入れ方:
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YouTubeでBBC Learning EnglishやCNN 10を朝のルーティンに
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Netflixで英語字幕付き視聴(1日20分でもOK)
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スマホの言語設定を英語に変更
5. 成長を振り返る時間をつくる
月に1回、模試や過去問のスコアを見直し、「どこが伸びたか」「どこが課題か」を整理しましょう。
成長を実感することが、最も強力なモチベーション源になります。
まとめ
英検準1級は、大学生にとって英語力を総合的に高められる絶好の目標です。
単語量・読解力・ライティング力・スピーキング力すべてが求められるため、勉強の過程で「英語を使う力」が確実に身につきます。
半年間の計画的な学習を続ければ、大学の授業やアルバイトと両立しながらでも合格は十分可能です。
特に大切なのは、日々の積み重ねと弱点の分析。
焦らず継続していけば、試験日には「準1級レベルの英語が自然に使える自分」に成長しているはずです。
英検準1級の合格は、就職活動や留学、さらにはその先のキャリアにおいても確かな自信と実績になります。
今日から一歩ずつ、合格に向けて準備を始めましょう。
よくある質問(FAQ)
英検準1級は大学生にとって難しいですか?
英検準1級は確かに難易度が高いですが、大学レベルの英語力があれば十分に挑戦可能です。 語彙やテーマが抽象的で最初は難しく感じるかもしれませんが、半年〜1年の計画的な学習で合格できます。
大学生が英検準1級を取るメリットは何ですか?
就職活動での英語力アピール、単位認定、留学・奨学金の条件クリアなど多くのメリットがあります。 英語4技能をバランスよく鍛えることで、実践的な英語力が身につくのも大きな利点です。
英検準1級の勉強時間はどれくらい必要ですか?
平均的には300〜400時間が目安です。 1日1〜2時間を6か月続けるペースで進めると、無理なく合格ラインに届きます。
どの教材を使うのが効果的ですか?
語彙は「英検準1級 でる順パス単」、リーディングは「英検準1級リーディング問題集」、 ライティングは「英検準1級ライティング大特訓」などが定番です。 リスニングは公式過去問音声やTED Talks、NHK WORLDで実践力を養いましょう。
二次試験(スピーキング)はどう対策すればいいですか?
オンライン英会話で英検面接形式の練習をするのがおすすめです。 完璧な文法よりも、テンプレート表現を使いながら**自分の意見を論理的に伝える練習**が効果的です。
途中でモチベーションが下がったときはどうすればいいですか?
Studyplusなどで進捗を記録し、SNSで学習仲間と励まし合うのが効果的です。 「今週の目標」を小さく設定して、達成感を積み重ねることで自然とやる気が戻ってきます。
