英検準1級合格スケジュール【4か月プラン】

はじめに

英検準1級は、英語を使って自分の意見を論理的に表現できるかを問う試験です。大学中級〜上級レベルの実力が求められ、英語での「理解力」だけでなく「発信力」も評価されます。

とはいえ、正しい計画を立てれば、4か月でも十分に合格を狙えます。重要なのは、5技能(読む・聞く・書く・話す・語彙)をバランスよく伸ばすことと、限られた時間を効果的に使うことです。

この記事では、4か月間で英検準1級に合格するための学習スケジュールを、月ごとの具体的な目標と実践内容に分けて紹介します。社会人や大学生でも無理なく続けられるよう、1日2〜3時間の学習を想定しています。

あなたの英語力を「合格レベル」に引き上げるための、最短ロードマップとして活用してください。


第1か月目:基礎固めと語彙力強化

目標

  • 英検準1級レベルの単語・熟語を6割以上マスターする

  • 長文読解に慣れ、英文を読むスピードを上げる

  • 試験形式を理解し、全体像をつかむ

学習のポイント

最初の1か月は、「英検準1級レベルの基礎を固める」期間です。焦って過去問を繰り返すよりも、語彙・リーディング・リスニングの基礎力を積み上げることを優先しましょう。

学習内容

① 語彙・イディオム

  • 使用教材:『英検準1級 でる順パス単』

  • 1日あたり100語を目標に、意味をざっくり覚える(完璧主義にならない)

  • 1周目は「単語→意味」でスピード重視、2週目以降で例文を確認

② リーディング

  • 過去問Part1(短文穴埋め)とPart2(長文読解)を中心に演習

  • 1日1セットを目安に、内容理解に重点を置く

  • 分からなかった単語・文構造をノートにまとめ、復習

③ リスニング

  • 過去問を1回分聞き、スクリプトで確認

  • 聞き取れなかった部分を繰り返し再生

  • シャドーイング(音声を追って発音)で耳と口を同時に慣らす

④ ライティング(導入)

  • 模範エッセイを3〜5本書き写し、構成を体で覚える

  • 「意見 → 理由 → 例」の流れを理解することが大切

今月のゴール

  • パス単を1周終える(約2400語)

  • 過去問を3セット解いて試験の形式を把握

  • 英語を読む・聞く習慣を毎日続ける


第2か月目:過去問演習と弱点克服

目標

  • 各パートの問題形式に慣れる

  • 苦手分野を明確にして、対策を始める

  • 語彙力・文構造理解をさらに強化する

学習のポイント

2か月目からは、本格的に過去問演習に取り組む時期です。実際の問題を解きながら、自分の得意・不得意を把握します。完璧に解こうとするよりも、「どの分野で点を落としているか」を把握することが大切です。

学習内容

① 語彙・イディオム

  • 『でる順パス単』2周目に突入

  • 例文を読みながら、使い方・文中での意味変化を確認

  • 苦手な単語をノートにまとめ、週末に集中復習

② リーディング

  • 過去問を2日に1回ペースで解く

  • タイマーを使って時間を計り、本番の感覚を養う

  • 解答後は必ず「根拠をどこで見つけたか」を分析し、読解力を強化

③ リスニング

  • Part1(会話)・Part2(説明文)・Part3(長文会話)ごとに弱点分析

  • スクリプトを音読・シャドーイングして発音とリズムに慣れる

  • 聞き取れない音のパターン(リエゾンや省略)を意識して克服

④ ライティング

  • 週に2本のペースで英作文練習(150〜200語)

  • 模範解答を参考にしながら、語彙・構文のバリエーションを増やす

  • 「反対意見でも一貫した論理」を意識する

⑤ スピーキング

  • 二次試験(面接)の過去問を使い、1日1トピック練習

  • 録音して発音・文法・流れをセルフチェック

  • 「意見→理由→例」の3ステップ回答を習慣化

今月のゴール

  • 過去問を5回分解く

  • パス単を2周目まで完了

  • 苦手パートを明確にし、3か月目に備える


第3か月目:実戦トレーニング

目標

  • 模試形式で本番に近い練習を積む

  • 各パートの得点力を安定させる

  • ライティングとスピーキングの完成度を高める

学習のポイント

3か月目は「本番を意識した総合演習」の時期です。これまでの基礎学習を活かして、時間配分・集中力・実戦感覚を磨きます。特に、語彙とリスニングはここで大きく伸ばせます。

学習内容

① 模試演習

  • 週に2回、過去問を通しで実施(筆記+リスニング)

  • 本番と同じ時間配分で解き、終了後にスコアを記録

  • 苦手パートの分析を習慣化して、改善を翌週へ反映

② リーディング

  • 本番形式で解く練習を継続し、**「速く・正確に読む」**を意識

  • 不正解の問題は、選択肢の根拠を丁寧に確認

  • 「段落の主旨を30秒以内にまとめる」練習で要約力を強化

③ リスニング

  • 英検以外の素材(BBC Learning English, VOA, TEDなど)も活用

  • 1日15〜20分のシャドーイングで耳慣れを維持

  • 自分が苦手な話題(科学・教育・社会問題など)を重点的に聞く

④ ライティング

  • 添削サービスやAIツールを活用して客観的なフィードバックを得る

  • 週3本ペースでエッセイ練習(150〜200語)

  • 「理由+具体例」の説得力を高める練習に重点

⑤ スピーキング

  • 模範回答を暗記せず、自分の意見で即答できるようにする

  • 「Agree or Disagree?」形式に慣れ、答え方をパターン化

  • 録音→自己評価→改善のサイクルを確立

今月のゴール

  • 模試で安定して合格ライン(筆記70%、リスニング80%)に到達

  • 英作文を20本以上作成

  • スピーキングで自然に理由と例を言えるようになる


第4か月目:総仕上げと二次試験対策

目標

  • 模試で安定して合格点を取れるようにする

  • 二次試験(スピーキング)で自然に意見を述べられるようにする

  • 全パートの時間配分と解答精度を最終調整

学習のポイント

4か月目は「仕上げと確認」の期間です。焦るよりも、これまでの積み重ねを固めることを意識しましょう。過去問・模試・ライティング・スピーキングを通して、総合的な完成度を高めます。

学習内容

① 筆記・リスニングの最終調整

  • 過去問を週2回ペースで実施

  • 問題ごとの時間配分をチェックし、迷う時間を短縮

  • 苦手分野を中心に再復習(特に語彙・文法・内容一致問題)

② ライティング

  • 試験で出やすい10テーマを重点練習
    (例:technology, education, environment, government, health など)

  • よく使う構文や表現を自分のテンプレートとしてまとめる

  • 書いたエッセイを読み返し、論理の流れ・語彙の多様性を確認

③ スピーキング(二次試験対策)

  • 面接形式の練習を毎日実施(過去問・想定トピック使用)

  • 「意見→理由→例→まとめ」の4ステップ回答を意識

  • 録音して自分の弱点(発音・間・文法)を修正

  • 実際の面接を想定して、英語で挨拶・受け答えの流れも確認

④ 語彙・表現の総復習

  • 『パス単』を3周目まで完了し、苦手語を重点チェック

  • 英作文・スピーキングで使える単語を意識的に復習

  • イディオム集を見直し、言い換え表現を増やす

今月のゴール

  • 模試で安定して合格ラインを超える(総合70%以上)

  • ライティング・スピーキングで一貫性のある回答ができる

  • 語彙・表現を自信を持って使えるようになる


学習時間の目安(1週間あたり)

4か月間で安定して英検準1級に合格するには、1週間あたり15〜20時間の学習を目安に進めると効果的です。
社会人の場合は平日2時間・週末4時間、学生の場合は平日3時間・週末5時間を目標にしましょう。

項目 時間目安 内容例
語彙・文法 6時間 パス単暗記、文法書・例文確認
リーディング 5時間 過去問・長文精読・要約練習
リスニング 5時間 過去問・シャドーイング・ニュース英語
ライティング 2時間 週2本のエッセイ練習(150〜200語)
スピーキング 2時間 面接練習・録音チェック・即答練習

学習のコツ

  • 短時間でも「毎日」触れることが最重要。
    英語力は1日休むと感覚が鈍ります。10分でもリスニングや単語復習を継続しましょう。

  • 週ごとにテーマを決めて集中学習。
    例:第1週=語彙+長文/第2週=リスニング強化/第3週=ライティング集中、など。

  • 日曜は「復習の日」として定着度を確認。
    1週間の総まとめで、弱点を翌週の課題に反映させます。


まとめ

4か月で英検準1級に合格するためには、継続と戦略がすべてです。
毎日コツコツと取り組むことで、確実に英語力は伸びていきます。

特に重要なのは次の3点です:

  1. 語彙力を最優先で強化すること
     語彙はすべての技能(読む・聞く・書く・話す)の土台です。早い段階で基礎を固めましょう。

  2. 過去問を中心に本番形式で練習すること
     実際の出題傾向や時間感覚をつかむことで、試験本番で落ち着いて対応できます。

  3. アウトプット(ライティング・スピーキング)を週ごとに必ず行うこと
     自分の意見を英語で表現できるようになると、筆記も面接も一気に得点が安定します。

4か月という限られた期間でも、計画的に学習を進めれば十分に合格可能です。
毎日の積み重ねが「合格」へとつながります。焦らず、自分のペースで進めていきましょう。


よくある質問(FAQs)

4か月で英検準1級は本当に合格できますか?

適切な計画と週15〜20時間の学習を継続できれば十分可能です。語彙の底上げ・過去問の時間管理・ライティングとスピーキングの定期アウトプットを柱に、毎週の振り返りで弱点修正を続けることが前提です。

1週間あたりの学習時間配分は?

目安は語彙・文法6時間、リーディング5時間、リスニング5時間、ライティング2時間、スピーキング2時間です。忙しい週は「語彙+リスニング」を最優先にし、出力(ライティング/スピーキング)を最低1回ずつ確保します。

どの教材を使えばよいですか?

単語帳は頻出順の準1級向けを1冊、過去問(公式・高精度模試)を1セット、簡潔な文法リファレンス、エッセイのモデル答案集を1冊に絞りましょう。音源はニュース英語や学習向けポッドキャストを繰り返し活用します。

語彙はどう覚えると定着しますか?

「意味の高速確認 → 例文で用法確認 → 間隔反復で能動想起」の3段階が基本です。朝昼夜の短時間(各10〜15分)で分散学習し、週末は苦手語だけを集中的に復習。小作文や音読で“使う”練習を必ず入れます。

リーディングは速さと正確さを両立できますか?

通し演習はタイマーで本番速度を意識し、復習では設問根拠にマーカーを引き直して「なぜその選択肢が正しいか」を言語化します。各段落の要旨を30秒で要約する訓練で処理速度と理解の精度が同時に上がります。

リスニングは何をすると一番伸びますか?

「初見→スクリプト精査→シャドーイング→再挑戦」のループを徹底します。聞き落とし原因(連結音・弱形・数字・固有名詞・パラフレーズ)を記録し、次回の注意点に変換。毎日10〜15分の広聴(少し難しめ)も有効です。

ライティングはテンプレ化しても大丈夫?

構成テンプレート(主張→理由2つ→具体例→結び)は有効です。ただし語彙の多様性と理由の説得力が点を分けます。週2本(150〜200語)を書き、論理の一貫性・段落の統一・文法/スペリングをチェックリストで検品しましょう。

スピーキング(二次)対策はいつ始めるべき?

初月から軽く着手し、3か月目以降は毎日ミニ練習に。回答は「意見→理由→例→まとめ」の型で20〜40秒を目安に録音→自己評価→やり直し。テーマ別の使い回し可能な“例え話”を20〜30個用意すると安定します。

模試(過去問通し)はどの頻度で?

3か月目から週2回が目安。実施後はセクション別スコア、設問あたりの所要時間、ミスの原因を記録し、翌週の学習計画に反映します。3回連続で総合70%以上、極端な弱点なしが合格圏の目安です。

社会人で時間が限られています。最小限メニューは?

毎日:語彙10〜15分+リスニング(初見→スクリプト)20分+シャドーイング10分。隔日:長文1セット(タイムドor精読)。週末:エッセイ1本+面接練習1回。通勤や隙間時間を“固定ルーティン”化するのが鍵です。

伸びが感じられません。進捗の測り方は?

週次でKPIを記録:語彙50語抜き打ち正答率、読解の正答率と平均秒/問、スクリプト無しリスニング再挑戦スコア、エッセイ rubric 合計、スピーキングの語速とフィラー率。日曜に見直し、翌週の重点を決めます。

直前2週間は何を優先すべき?

新規拡張より既習の再現性を追求。過去に解いたセットの取りこぼしをつぶし、時間配分を固定化。エッセイはテンプレ+主張の鮮明さ、スピーキングは例話の即時想起を確認。睡眠・食事・当日の動線確認もスコアに直結します。

苦手パートが足を引っ張ります。克服の順序は?

配点効率の高い順に「語彙→リスニング→長文→ライティング→文法細部」。ただし個人差があるため、模試の誤答分析から“原因別”(語彙不足・推論弱さ・速度不足・設問タイプ別)で処方箋を作ると改善が速いです。

参考答案の丸暗記は有効?

構文・論理展開の“型”を吸収する目的では有効ですが、丸暗記はリスクです。テーマが変わると破綻します。表現のストックを「言い換えパック」として複数用意し、内容は自分の理由と例に差し替える練習を。

発音や文法ミスが怖いです。二次での減点を最小化するには?

明瞭さと一貫性が最優先。ゆっくりめの発話、短文中心、接続詞で論理を見せると安定します。聞き返しは丁寧に依頼し、言い直しは落ち着いて。練習では自分の頻出ミスを3項目に絞って意識修正すると効果的です。

どのレベルになれば受験してよいですか?

模試3回連続で総合70%前後、リスニングは75〜80%、エッセイはテンプレ通りに20分で書ける、スピーキングは30秒の意見提示が安定——この条件がそろえば本番投入の合図です。

計画が崩れた時のリカバリー方法は?

「核習慣(語彙・リスニング)」だけは毎日維持し、他は週末に再配置。翌週の計画を“半分の量+頻度重視”で再設計し、完遂感を取り戻します。2週連続の未消化を避けることが長期継続のコツです。

点が伸びにくい上級語彙の壁を越えるには?

抽象語はコロケーションと同義語ネットワークで覚えます。例:mitigate ⇄ alleviate ⇄ ease/policy measure とセットで定着。音読・ライティングでの能動使用が最後の一押しになります。

当日の時間配分のコツは?

各パートに上限時間を設定し、迷いは“仮マークして次へ”。難問の沼に入らない運用が合否を分けます。リスニングは切り替え最優先、ライティングは3分計画・18分執筆・2分見直しを厳守しましょう。

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