英検準1級リーディング対策:長文読解と内容一致問題の攻略法

はじめに

英検準1級のリーディングセクションは、試験全体の中でも特に難易度が高いパートとして知られています。長文のテーマは科学・教育・社会問題など幅広く、語彙も大学レベルに近いため、英語力だけでなく論理的読解力スピード処理能力が求められます。

「読めるけれど時間が足りない」「内容一致問題で迷ってしまう」という受験者は少なくありません。しかし、出題形式や文構成のパターンを理解すれば、誰でも安定して得点できるようになります。

この記事では、英検準1級のリーディングセクションの中でも特に重要な長文読解と内容一致問題の攻略法を徹底解説します。出題傾向から解き方のコツ、時間配分、効果的な練習方法まで、合格に直結する実践的な対策を紹介します。

英検準1級リーディングの出題構成

英検準1級のリーディングセクションは、語彙力・論理的思考力・速読力のすべてを測る構成になっています。出題は主に3つのパートに分かれており、それぞれ異なるスキルが問われます。


Part 1:語彙問題(短文空所補充)

  • 問題数:25問

  • 形式:1文の中に空欄があり、4択から最も適切な単語を選ぶ

  • 内容:高度な語彙力、文脈判断力が必要

ここでは「意味が似ている単語の微妙な違い」「熟語・コロケーション(語の組み合わせ)」などが問われます。例:

The government’s new policy aims to mitigate the effects of climate change.

「mitigate(緩和する)」のような学術的語彙が多く、単語帳だけでなく文中での使われ方を理解しておくことが重要です。


Part 2:短文読解(中程度の長さの文章+内容一致)

  • 問題数:約4問

  • 形式:1つの短い英文(約200~300語)に対し、内容一致問題が数問出題

  • 内容:具体的な事実理解、筆者の意見判断など

このパートは「短いけれど情報量が多い」ため、スキミングとスキャニングの使い分けが鍵になります。英検準1級特有の言い換え表現に慣れておくと得点しやすくなります。


Part 3:長文内容一致問題(長文+設問)

  • 問題数:約10問(2~3題)

  • 形式:長文を読んで内容に一致する選択肢を選ぶ

  • 内容:筆者の主張、具体例、因果関係、要約など

準1級最大の山場。文章量は1題あたり約700〜900語と多く、時間管理が最も重要なパートです。
ここでは以下のスキルが問われます:

  • 段落構成の理解(導入→理由→例→結論)

  • 論理マーカー(However, Therefore など)の把握

  • 意見と事実の区別

  • 言い換えを見抜く力


全体構成と配点の目安

パート 内容 問題数 主なスキル 目安時間 配点比率
Part 1 語彙問題 約25問 語彙・文脈判断 15分 約30%
Part 2 短文読解 約4問 理解・要約 20分 約15%
Part 3 長文内容一致 約10問 論理・速読 40分 約40%
見直し 10分

合計約85分の中でPart 3に最も時間を割くのが基本戦略です。
特に、内容一致問題の正答率を上げることがリーディング全体の得点アップにつながる最重要ポイントとなります。

長文読解問題の特徴とテーマ傾向

英検準1級の長文読解は、単に英語を読む力だけでなく、論理構成の理解筆者の意見を把握する力が試されるパートです。文章はアカデミックかつ知的なテーマが多く、背景知識や語彙量の差が得点に大きく影響します。


主な出題テーマ

長文のテーマは幅広く、現代社会のさまざまな分野から出題されます。以下のジャンルが特に頻出です。

  • 環境・科学:気候変動、エネルギー問題、テクノロジーの影響

  • 教育・心理:学習方法、モチベーション、社会的行動

  • 経済・文化:グローバル化、消費行動、文化的多様性

  • 医療・倫理:遺伝子研究、医療技術、AIの倫理問題

これらの分野に共通するのは、「筆者の主張」が明確に存在し、意見を支持する根拠や例が提示されるという構成です。


文章構成のパターン

準1級の長文は、ほとんどが次のような論理的展開を持っています。

  1. 導入(Introduction):テーマ提示・問題提起

  2. 本文(Body):原因・背景・事例の説明

  3. 結論(Conclusion):筆者の主張・提案

特に、段落ごとの**トピックセンテンス(最初の1文)**をしっかり読むことで、全体の流れがつかみやすくなります。


出題される英文の特徴

  • アカデミック語彙が多い(例:emission, hypothesis, correlation)

  • 文が長く複雑(挿入句・関係詞が多い)

  • 意見が対比的に提示される(e.g. On the other hand, Some critics argue that…)

このような英文を正確に理解するためには、文構造を把握する練習論理マーカーの意識が欠かせません。


対策ポイント

  1. 段落ごとに「何について述べているか」をメモする

  2. 筆者の主張と他者の意見を区別する

  3. 接続詞・転換語に線を引いて流れを追う

  4. 具体例と結論の関係をつかむ

これらを意識することで、内容一致問題の設問にもスムーズに対応できるようになります。


例題イメージ

Although many people support the use of AI in education, some experts argue that it may reduce students’ creativity. They claim that constant reliance on technology could limit critical thinking skills.

このような文では、**筆者の立場(AIの教育利用に懸念を持っている)理由(創造性・批判的思考の低下)**をすぐに特定できるかどうかがポイントです。


内容一致問題の出題パターン

英検準1級のリーディングで最も得点差がつくのが、**長文の内容一致問題(Part 3)**です。ここでは、文章の全体像を理解した上で、細部の内容・筆者の主張・意見のニュアンスまで正確に判断する力が求められます。


内容一致問題の形式

  • 形式:長文1題につき設問4〜6問

  • 選択肢:本文の内容を言い換えた4択

  • 出題範囲:事実確認・要約・筆者の意見など

問題文には、必ず「本文に合っているものを選べ」「本文の内容と最も一致するものを選べ」といった指示があります。したがって、**「完全一致」ではなく「意味的に最も近い選択肢」**を選ぶことが重要です。


よく出る設問タイプ

  1. 事実確認タイプ
     本文中の具体的な情報(数値・例・出来事)を問う問題。
      キーワードを見つけて該当箇所を探す。

  2. 筆者の主張タイプ
     筆者の立場や結論を問う問題。
      最終段落またはまとめ文を確認。

  3. 要約タイプ
     段落全体の要点をまとめる問題。
      トピックセンテンス(段落の最初の文)に注目。

  4. 対比・原因結果タイプ
     文章内の論理関係を問う問題。
      However / Therefore / In contrast などのマーカーを追う。

  5. 意見 vs 事実の区別タイプ
     筆者の意見と引用・他者の主張を混同しやすい問題。
      “Some experts claim that…” などの表現に注意。


言い換え(パラフレーズ)の注意点

英検準1級では、正解の選択肢が本文とほぼ同じ意味だが、異なる表現で書かれていることが多いです。
たとえば:

本文 選択肢の言い換え例
“Many people oppose the plan.” “The plan has been met with criticism.”
“The results were not as expected.” “The outcome failed to meet expectations.”
“This approach can be risky.” “There are potential dangers in this method.”

言い換えを見抜く力=語彙力と読解力の両方を鍛えることにつながります。


内容一致問題でのNG選択肢例

不正解の選択肢には、次のような特徴があります。

  • 本文の内容を極端にしたもの(always, never, only などを含む)

  • 本文にはない情報を加えたもの

  • 一部正しいが全体では誤っているもの

  • 筆者の意見ではなく他者の意見を反映しているもの

特に「絶対的表現」は要注意。本文が“Some people think…”と述べているのに、選択肢が“All people agree…”となっていれば不正解です。


対策ポイント

  1. 設問と選択肢を先に読む(本文に入る前に何を問われているか把握)

  2. 本文中のキーワードを探す(同義語・言い換えも含めて)

  3. 該当箇所を精読し、根拠を確認してから選ぶ

  4. 感覚で選ばず、「本文の証拠があるか」で判断する


効率的な読み方:スキミングとスキャニング

英検準1級のリーディングでは、文章量が多く時間が足りないと感じる受験者が非常に多いです。すべてを丁寧に読もうとすると、時間切れになるのが一般的。
そこで必須となるのが、**スキミング(概要読み)スキャニング(情報探し)**の2つの読解技術です。


スキミング(Skimming):全体の流れをつかむ

スキミングとは、細部を追わずに「全体の要点」や「筆者の主張」をつかむための読み方です。英検準1級の長文では、まず本文をざっと読む段階で段落構成とトピックの流れを理解しましょう。

スキミングのポイント

  1. 各段落の最初と最後の文を読む
     → トピックセンテンスとまとめ文で段落の主旨を把握。

  2. 接続詞・論理マーカーに注目
     → However, In addition, Therefore などで展開を追う。

  3. 筆者のトーンを意識
     → 賛成・反対・中立など、主張の方向性をつかむ。

  4. 例やデータは軽く読む
     → 内容一致問題で問われない限り、詳細は後回しでOK。

目的

スキミングの目的は、「どこに何が書かれているか」を把握することです。
全文を完璧に理解する必要はなく、「この話題は2段落目」「結論は最後」と位置関係を頭に入れておくことで、設問対応がスムーズになります。


スキャニング(Scanning):必要な情報を素早く探す

スキャニングとは、設問で問われている情報を本文からピンポイントで探す技術です。時間短縮に欠かせないスキルです。

スキャニングの手順

  1. 設問を先に読む
     → 何を探すのかを明確にしてから本文に入る。

  2. キーワードをチェック
     → 人名・数字・固有名詞・動詞などをマーク。

  3. 本文で同義語・言い換えを探す
     → 例:
      - “children” ⇔ “youngsters”
      - “scientists found” ⇔ “researchers discovered”

  4. 該当箇所を精読して確認
     → 一致または矛盾を確かめてから選択肢を選ぶ。

よくあるミス

  • 本文を全部読んでから設問に戻る → 時間ロス

  • 設問キーワードをそのまま探す → 言い換えを見逃す

  • 部分的な一致で判断 → 文全体の意味を無視


スキミングとスキャニングを組み合わせる方法

最も効率的な読み方は、次の流れです。

  1. 設問を先に読む(1分)

  2. 本文をスキミングして構成を把握(2分)

  3. 設問ごとにスキャニングで該当箇所を探す(2〜3分)

このリズムを習慣化すると、1題(約800語)でも7〜8分で安定して解答できます。


内容一致問題の解き方ステップ

英検準1級の内容一致問題では、本文の要点を正確に読み取り、言い換えを見抜く力が問われます。
「本文を理解しているのに選択肢で迷う」「似た表現にひっかかる」という悩みは多くの受験者に共通しています。
ここでは、安定して正答を導くための5ステップを紹介します。


ステップ①:設問を先に読む

本文を読む前に、まず設問と選択肢を軽く確認しましょう。
どの段落・テーマに関する質問なのかを把握してから本文を読むと、無駄な部分を読まずにすみます。

ポイント

  • 設問のキーワード(人名・数字・主題語)をチェック

  • 選択肢をざっと読んで、質問のタイプ(主張・事実確認・要約など)を予測


ステップ②:本文で該当箇所を探す

設問で意識したキーワードを頼りに、本文の中で対応する部分を探します。
英検準1級では直接同じ単語が出てこないことが多く、**言い換え表現(パラフレーズ)**を見抜くのが鍵になります。

例:

  • 設問:「Why do some researchers oppose the plan?」

  • 本文:「A number of scientists raised concerns about the plan’s possible side effects.」
    → oppose ⇔ raised concerns =「反対・懸念を示す」と同義


ステップ③:該当部分を精読する

該当箇所を見つけたら、その前後2〜3文を丁寧に読むことで正確な意味をつかみます。
部分的な一致に惑わされないよう、主語・述語・修飾語の関係を意識して読み取りましょう。

注意点

  • 「not」などの否定語を見落とさない

  • 代名詞(it, they, this, these)の指す内容を確認

  • 一文で2つ以上の情報が含まれている場合は、どれが設問に対応しているか整理


ステップ④:選択肢の言い換えを確認する

本文の意味を理解したら、選択肢の中から意味が最も近いものを探します。
正解は「本文と同じ内容を、別の言葉で述べている」ことがほとんどです。

本文 正解選択肢の例
“The project was abandoned due to a lack of funding.” “The project was discontinued because of insufficient financial support.”
“Some experts doubt the effectiveness of the new method.” “Certain specialists question whether the method really works.”

このように、動詞・名詞・表現が変わっていても、意味の一致があれば正解です。


ステップ⑤:本文に根拠があるかで判断する

最後の決め手は、「本文に根拠が明確にあるかどうか」です。
感覚で選ぶのではなく、本文のどの文がその選択肢の根拠になっているかを確認してから選びます。

❌ NG例:

  • 「なんとなく正しそうだから」

  • 「単語が似ているから」

  • 「自分の知識でそう思うから」

✅ OK例:

  • 「第3段落の2文目に同じ意味の表現がある」

  • 「筆者が結論として述べている内容と一致している」


ミスを防ぐコツ

  • **絶対表現(always, never, all, completely)**を含む選択肢は疑う

  • 部分的に正しい選択肢に注意(正しい情報+間違った情報を混ぜている)

  • 筆者の意見と他者の主張を混同しない


高得点者が実践している読解スキル

英検準1級リーディングで高得点を取る受験者は、単に英語力が高いだけでなく、効率的に本文の構造をつかむ読解スキルを身につけています。ここでは、スコア上位者が共通して行っている「読み方の技術」を具体的に紹介します。


1. 論理マーカー(接続詞)を意識する

長文では、**筆者の主張の流れを示す接続語(論理マーカー)**が非常に重要です。
これを意識するだけで、文章の構造が一気にわかりやすくなります。

論理の流れ よく出る表現 意味・役割
追加 moreover / in addition / furthermore 同じ方向に話を進める
対比 however / on the other hand / in contrast 逆の意見・展開を示す
理由 because / since / as / due to 原因や根拠を説明
結論 therefore / thus / consequently 結果や結論を導く
例示 for example / such as / for instance 具体例を提示

コツ:接続詞に線を引きながら読むと、主張の変化や展開が目に見えて分かるようになります。


2. 代名詞の指す内容を正確にとらえる

長文中の「it」「they」「this」「these」などが何を指しているかを見失うと、文全体の意味が崩れてしまいます。
高得点者は、代名詞を見つけるたびに**「これはどの名詞を指しているのか?」**を意識して読みます。

例:

Many students prefer online classes. They find it easier to manage their time.
→ “They” = “Many students”

簡単に見えても、この確認を怠ると設問で混乱しやすくなります。


3. トピックセンテンス(段落の最初の文)に注目

英検準1級の長文は、**英語の論理的な構成(主張→理由→例→結論)**で書かれています。
そのため、各段落の最初の1文(トピックセンテンス)を読むだけで、段落全体の要点を把握できます。

One of the main reasons why renewable energy is becoming more popular is its decreasing cost.
→ この段落では「再生可能エネルギーが普及する理由=コストが下がっていること」が主題。


4. 比喩表現・言い換えを感覚でなく意味で理解する

英検準1級の長文では、筆者の主張を強調するために比喩やイディオムが使われることがあります。
例えば “a double-edged sword” は「良い面と悪い面がある」、 “hit the nail on the head” は「核心を突く」といった意味。
直訳せず、意図やニュアンスで理解する訓練を積むと、内容一致問題での誤解が減ります。


5. 読みながら「筆者の意見」を追う

高得点者は、常に「これは筆者の意見なのか? それとも他者の主張か?」を意識して読み進めます。
引用表現(e.g. Some experts claim that…)や対比構文(e.g. While some believe… others argue that…)に注意することで、
筆者自身の立場を見失わずに読めます。


6. 段落の役割を意識する

段落にはそれぞれ目的があります。次のように分類して読むと、内容を整理しやすくなります。

段落のタイプ 目的
導入段落 問題提起・主題の提示
本文段落1 理由①・背景説明
本文段落2 理由②・具体例・対比
結論段落 主張のまとめ・提案

こうして「文章の地図」を作るように読むと、後で設問の該当箇所を探すのも速くなります。


7. 読解中のメモ取り

高得点者は、読解中に段落ごとのメモを簡単に残します。
例えば、次のような形式が有効です。

P1:AI education —メリット中心
P2:懸念点(creativity↓)
P3:結論=バランスが大事

わずか数秒のメモでも、全体構成の整理に大きく役立ちます。


語彙力と背景知識の重要性

英検準1級の長文読解では、単語力の差がそのまま得点差に直結します。
ただし、ここで言う「語彙力」とは単なる暗記量ではなく、文脈の中で単語の意味・使われ方を理解する力を指します。
また、背景知識(トピック知識)も内容一致問題の理解を大きく助けてくれます。


語彙力が重要な理由

英検準1級の文章は、アカデミックで抽象的な内容が多く、1つの単語の意味を誤解すると文全体の理解を誤ることがあります。

例:

The government must take feasible measures to reduce pollution.
→ “feasible” は「実行可能な」。もし “useful(有用な)”と混同すると意味が変わってしまう。

このように、近い意味の単語を区別できる精度が、正確な読解には不可欠です。


よく出る英検準1級レベルの語彙

単語 意味 類義語・関連語
mitigate 緩和する ease, alleviate
deteriorate 悪化する worsen, decline
allocate 割り当てる distribute, assign
compelling 説得力のある convincing, powerful
viable 実行可能な feasible, workable
undermine 弱体化させる damage, impair
endorse 支持する approve, support

これらは単語帳に載っているだけでなく、長文中で頻出するキーワードでもあります。


語彙を「覚える」から「使える」に変える方法

  1. 例文と一緒に覚える
     → 単語だけでなく、実際の文脈での使われ方を学ぶ。
     例: “The policy was designed to mitigate the impact of climate change.”

  2. 同義語をまとめて覚える
     → 言い換え問題や内容一致問題への対応力が上がる。
     例: “feasible = practical = possible”

  3. 品詞を意識する
     → 名詞・動詞・形容詞の派生形をまとめて整理。
     例: “compel (v)” → “compelling (adj)” → “compulsion (n)”

  4. 読んだ英文から「未知語ノート」を作る
     → 過去問やリーディング教材で出会った知らない単語を記録。


背景知識を持つことのメリット

英検準1級の長文は、社会的・科学的テーマを扱うことが多く、基本的な世界知識があると理解が速くなります。

出題頻度の高いトピック:

  • 環境問題(再生可能エネルギー、リサイクル)

  • 教育・テクノロジー(オンライン学習、AI教育)

  • 医療・倫理(遺伝子編集、医療アクセス)

  • 社会・経済(グローバル化、雇用変化)

コツ
英語ニュース(BBC, The Guardian, National Geographic など)を日常的に読むことで、語彙+背景知識を同時に鍛えられます。


効率的な語彙強化法

学習法 メリット 推奨時間
パス単準1級の音読 発音・記憶定着に◎ 1日30分
英文記事の多読 語彙+背景知識を同時強化 1日20分
Quizletなどの単語アプリ スキマ時間に効率学習 通勤・通学中
英検過去問の精読 実際の出題語を確認できる 週1〜2回

時間配分のコツ

英検準1級のリーディングセクションは、全体で約85分
この時間内に語彙問題・短文読解・長文内容一致問題をすべて解く必要があり、時間配分を誤ると高得点は狙えません。
ここでは、高得点者が実践している最適な時間配分とペース管理の方法を紹介します。


理想的な時間配分

パート 内容 問題数 目安時間 配点比率
Part 1 語彙問題(短文空所補充) 約25問 15分 約30%
Part 2 短文読解(中程度の長さの文章) 約4問 20分 約15%
Part 3 長文内容一致問題(2〜3題) 約10問 40分 約40%
見直し 全体のチェック 10分

特にPart 3(長文内容一致問題)に時間を多く割くことが鍵です。
英検準1級はこのパートで最も得点差がつくため、ここでの安定が合否を左右します。


パート別の時間配分のポイント

Part 1(語彙問題)15分

  • 各問題を30秒以内で解くのが理想。

  • 知らない単語はすぐ飛ばして最後に戻る(時間を浪費しない)。

  • 迷ったら文全体の流れで判断し、「文脈で意味を推測する」練習を。

コツ
単語を文脈で解く習慣をつけておくと、語彙問題のスピードが大幅に上がります。


Part 2(短文読解)20分

  • 各文章につき約5分

  • 設問を先に読む → 本文をスキミング → 該当箇所をスキャニング。

  • 内容一致タイプの設問は、根拠のある選択肢を選ぶ。

コツ
短文でも「筆者の主張を探す」姿勢を意識する。長文への準備にもなります。


Part 3(長文内容一致)40分

  • 各長文1題につき約13〜15分

  • 最初の2分で全体スキミング → 残り時間で設問対応。

  • 1問に3分以上かけないのが基本。

コツ
スキミングとスキャニングを組み合わせて、該当箇所をすぐに探す練習を日頃からしておくこと。


見直し 10分

  • マークミス・解答漏れ・あいまいな問題の再確認。

  • 特に「選択肢を感覚で選んだ問題」は根拠を見直す。

  • 最後の5分は長文問題を再チェックするのが効果的。


時間配分の練習方法

  1. ストップウォッチを使って本番を想定
     → 各パートの持ち時間を守る癖をつける。

  2. 過去問を“2回解き”する
     - 1回目:時間制限なしで精読
     - 2回目:制限時間内でスピード重視
     → この差を分析して、弱点を特定。

  3. タイマー付きアプリで模試練習
     → 「過去6回全問題集」や「英検オンライン模試」などで実践感覚を養う。


よくある失敗例

失敗パターン 原因 改善策
Part 1に時間をかけすぎる 単語にこだわりすぎ 分からない問題は飛ばす
長文で焦って読み飛ばす 時間不足・集中力低下 段落ごとに区切って読む
見直しの時間がない ペース配分ミス 1問3分以内ルールを徹底

練習教材・おすすめリソース

英検準1級のリーディング対策では、「どの教材でどのように練習するか」が結果を大きく左右します。
ここでは、実際の出題形式に近く、効果的に読解スキルを鍛えられる教材・リソースを紹介します。


① 英検準1級 過去6回全問題集(旺文社)

最も信頼できる対策教材です。

  • 本番と同じ形式・難易度で出題されており、出題傾向の把握に最適。

  • 解答・解説が丁寧で、語彙・言い換えの学習にも活用できます。

おすすめ活用法

  • 最初の1回目は「時間制限なし」でじっくり解く(精読)

  • 2回目以降は「制限時間付き」でスピード練習

  • 間違えた問題は「根拠文をマーカー」で確認

目的:試験形式に慣れ、解答スピードを身につける


② Reading for the Real World(Compass Publishing)

アカデミックな英文を扱うリーディング教材で、英検準1級〜1級レベルの内容一致問題対策に最適。

  • 科学・社会・文化などのテーマが英検の出題傾向と一致

  • 各章に comprehension questions(内容一致)付き

  • 語彙リストや要約問題で「読解+語彙」両方を鍛えられる

おすすめレベル

  • Level 2:準1級中位〜合格ライン

  • Level 3:準1級上位〜1級前段階

目的:論理展開を読み取る練習・内容一致パターンに慣れる


③ Newsela / BBC Learning English

最新ニュースをレベル別に読める無料のオンライン教材。

  • 時事・環境・教育など、英検準1級で頻出テーマが多い

  • “Adapted” 記事(簡易版)で段階的に読む練習が可能

  • 自分の興味分野を題材に読解スピードを鍛えられる

使い方のコツ

  • タイトル → 導入 → 結論の順でスキミング練習

  • 知らない単語をノートにまとめて「頻出語リスト化」

  • BBCでは “6 Minute English” のスクリプトも活用できる

目的:背景知識+時事英語のインプット強化


④ 英検準1級 予想問題ドリル(旺文社/ジャパンタイムズ)

  • 本試験形式に近い模擬問題を多数収録

  • 出題傾向の変化(特に語彙レベル・テーマ傾向)を掴むのに有効

  • 模試形式で「時間配分練習」ができる

活用ポイント

  • 週1回ペースで模試を解き、スコアの推移を確認

  • 間違えた設問を「タイプ別」に整理(主張・要約・事実確認など)

目的:実戦力アップ+弱点分析


⑤ 多読・精読の併用教材

教材 用途 特徴
Graded Readers(Oxford / Penguin) 多読 語彙レベルを落として速読練習
Breaking News English 多読+語彙 毎回同じ構成で復習しやすい
The Japan Times Alpha 精読 英検頻出のテーマを含む英文記事
英検単語帳アプリ(パス単・Quizletなど) 語彙強化 音声付きでリスニング連動可

ポイント
英検対策だけに偏らず、多読で“読む量”を確保することが長文対策の近道です。


推奨学習スケジュール(例:4週間)

目的 具体的タスク
Week 1 語彙基礎+短文読解 パス単+過去問Part 2
Week 2 長文読解演習 Reading for the Real World で週3章
Week 3 模試形式で実践 過去問2回分を時間計測で解く
Week 4 弱点補強+精読 苦手設問タイプを重点復習

まとめ

英検準1級のリーディングは、語彙・構文・論理・スピードのすべてを総合的に試されるセクションです。
長文読解や内容一致問題は一見難しく見えますが、出題傾向と解き方の型を理解すれば確実に得点源にできます。


本記事のポイントおさらい

  1. 出題構成を理解する
     語彙問題(Part 1)・短文読解(Part 2)・長文内容一致(Part 3)の3部構成。
     特にPart 3の内容一致問題は配点が高く、重点対策が必要。

  2. スキミング&スキャニングを習得する
     全体の流れをつかむ(スキミング)+必要情報を探す(スキャニング)で、
     効率的に本文を読み進められる。

  3. 内容一致問題では「根拠のある選択」を
     本文中の言い換えを見抜き、根拠のある選択肢を選ぶ。
     「絶対表現(always, never)」を含む選択肢は要注意。

  4. 高得点者は論理構造を意識して読む
     接続詞(However, Thereforeなど)やトピックセンテンスを頼りに
     筆者の主張・段落の役割を整理しながら読む。

  5. 語彙と背景知識をセットで強化する
     英検準1級レベルの語彙を文脈で理解し、ニュース記事などで
     社会・科学系の背景知識も補うことで内容理解がスムーズに。

  6. 時間配分を戦略的に管理する
     Part 1:15分/Part 2:20分/Part 3:40分/見直し:10分
     → 「1問3分以内」を意識してペースを一定に保つ。

  7. 実戦的な教材を使う
     過去問+Reading for the Real World+BBCなどの時事英語で
     出題テーマ・言い換え表現に慣れる。


最後に

英検準1級の長文読解は、英語力だけでなく読解の戦略力が試されるパートです。
「時間内に読み切れない」「設問で迷う」という悩みも、
構造把握・語彙力・スキミング練習を積めば確実に克服できます。

日々の学習で「読む→理解する→根拠を探す」を繰り返し、
**“速く・正確に・根拠を持って読む力”**を鍛えることが、
合格への最短ルートです。


英検準1級リーディング対策に関するFAQ

英検準1級のリーディングで最も難しい部分はどこですか?

最も難しいのは「長文内容一致問題(Part 3)」です。文章量が多く、設問も本文の言い換え表現を見抜く力が必要です。スキミングとスキャニングを組み合わせて、本文の根拠を見つけながら解く練習をしましょう。

時間が足りないときはどのように対処すればよいですか?

すべてを精読しようとせず、まず設問を先に読み、本文をスキミングして全体の流れをつかむことが大切です。1問3分以内を目安にし、難問に時間をかけすぎないようにしましょう。

語彙力を効率的に伸ばすにはどうすればいいですか?

単語帳を暗記するだけでなく、例文や実際の英文で単語の使われ方を覚えることが効果的です。特に英検準1級パス単を音読しながら覚えると、記憶に定着しやすくなります。

内容一致問題の正答率を上げるコツはありますか?

「本文の根拠があるか」で選択肢を判断することが最重要です。感覚で選ばず、設問に対応する本文の部分を必ず確認しましょう。また、極端な表現(always, never, allなど)を含む選択肢は誤りの可能性が高いです。

リーディング練習におすすめの教材は?

『英検準1級 過去6回全問題集(旺文社)』が基本教材です。補助教材として『Reading for the Real World(Compass Publishing)』やBBC Learning Englishのニュース記事もおすすめです。

どのくらいの勉強期間でリーディング力が上がりますか?

個人差はありますが、1日1時間程度の集中学習を4〜6週間続けると、語彙力・読解スピード・内容一致問題の正答率が大きく向上します。過去問演習と復習を繰り返すことが成功の鍵です。

おすすめの勉強順序はありますか?

まず語彙問題(Part 1)で基礎単語力を固め、その後に短文読解(Part 2)でスキミングの練習を行い、最後に長文内容一致(Part 3)で実戦力を磨く流れが効果的です。

過去問を解くときのポイントは?

最初の1回は制限時間なしでじっくり解き、2回目以降は時間を計ってスピード重視で解くと効果的です。間違えた設問は「根拠文」を本文から探し、なぜ間違えたのかを分析しましょう。

毎日の学習で意識すべきことは何ですか?

読むときは常に「筆者の主張」「段落の役割」「言い換え表現」の3点を意識することです。これを習慣化すれば、リーディング全体の理解力とスピードが大きく向上します。

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