セブ島不動産ガイド 2025年版|購入・賃貸・投資・移住まで完全解説
はじめに
セブ島は、美しいビーチリゾートと活気ある都市生活が共存するフィリピン随一の人気エリアです。
近年は観光だけでなく、移住先や不動産投資先としても注目度が高まり、日本人や海外投資家の関心が急速に集まっています。
しかし、外国人による不動産購入にはルールや制限があり、賃貸契約や税金の仕組みも日本とは大きく異なります。
「コンドミニアムと一戸建てはどちらがいい?」「どのエリアが安全で資産価値が高い?」「購入時や賃貸時に必要な費用は?」
— こうした疑問を解消しないまま契約すると、思わぬトラブルや損失につながる可能性があります。
本ガイドでは、セブ島不動産の購入・賃貸・投資に必要な情報を網羅的に解説します。
市場動向から物件探しのコツ、契約・税金・エリア選びまで、2025年最新情報を基にわかりやすくまとめました。
これを読めば、セブ島での不動産取引の全体像が掴め、安心して次のステップに進むことができます。
1. セブ島不動産の概要
1-1. セブ島の魅力と生活環境
セブ島はフィリピン中部のビサヤ地方に位置し、国際空港(マクタン・セブ国際空港)を有する交通の要所です。
都市部では高層コンドミニアムやショッピングモールが立ち並び、郊外や離島では手つかずの自然やリゾートエリアが広がります。
物価が比較的安く、英語が通じる環境、そして温暖な気候が、移住者や長期滞在者を惹きつけています。
1-2. 不動産市場の規模と成長
近年、セブ島はフィリピン国内外の投資家にとって重要な市場となっています。
特に2015年以降、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業の発展により、ITパークやマクタンエリアでの住宅需要が急増しました。
2020年代はパンデミックで一時的に需要が落ち込みましたが、2023年以降は観光復活と経済成長により再び価格が上昇しています。
1-3. 購入・賃貸の平均相場(2025年時点)
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コンドミニアム購入価格:中心部で1㎡あたり約120,000〜180,000ペソ(日本円で約30〜45万円) 
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一戸建て購入価格:郊外で1棟500万〜1500万ペソ(約1,250万〜3,750万円) 
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賃貸家賃: - 
スタジオタイプ:月15,000〜25,000ペソ 
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1ベッドルーム:月25,000〜40,000ペソ 
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2ベッドルーム以上:月40,000〜70,000ペソ以上 
 
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1-4. 主な不動産エリア
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Cebu City(セブ市中心部):ビジネス街、ショッピング、教育機関が集中 
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IT Park(ITパーク):BPO企業集積、外国人駐在員やデジタルノマドに人気 
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Lapu-Lapu(マクタン島):リゾートホテル・ビーチアクセス良好 
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Mandaue(マンダウエ):倉庫・製造業エリア、低価格帯住宅あり 
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Talamban / Banilad:インターナショナルスクールや高級住宅地 
2. 不動産購入ガイド
2-1. 外国人の不動産購入ルール
フィリピンでは、外国人は土地を直接所有することができません。
しかし、コンドミニアムユニットの所有は合法で、開発プロジェクト全体の外国人所有割合が40%以下である限り、自由に購入できます。
土地を利用する方法としては、以下の選択肢があります。
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法人名義での購入(外国人出資比率は40%まで) 
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長期リース契約(最大50年+25年延長可) 
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配偶者がフィリピン人の場合は、その名義での購入が可能 
2-2. コンドミニアム vs 一戸建て
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コンドミニアム - 
メリット:セキュリティ完備、立地が良い、管理が楽 
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デメリット:管理費がかかる、スペースが限られる 
 
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一戸建て(タウンハウス含む) - 
メリット:広い居住空間、庭や駐車場あり 
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デメリット:外国人単独名義不可、管理は自己責任 
 
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2-3. 購入までの流れ
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物件探し(オンライン・不動産業者・現地見学) 
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予約契約(Reservation Agreement) - 
通常10万〜50万ペソの予約金が必要 
 
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売買契約(Contract to Sell) - 
分割払いや一括払いなど条件を明記 
 
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全額支払い・引き渡し 
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名義変更と登記(Title Transfer) 
2-4. 必要書類
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パスポートコピー 
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署名証明書(Notarized) 
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TIN(Tax Identification Number) 
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売買契約書・領収書 
2-5. 購入時にかかる費用
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購入価格本体 
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登記費用(0.25%前後) 
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書類作成費用・印紙税(1.5%〜3%) 
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管理費(コンドの場合):月100ペソ/㎡前後 
2-6. 注意点
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「名義貸し」や非合法な土地購入スキームはトラブルの元 
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契約書は必ず英語のほか、日本語での内容確認も推奨 
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デベロッパーの信頼性を事前に調べること 
3. 不動産投資ガイド
3-1. セブ島での投資メリット
セブ島は観光需要とビジネス需要の両方が高く、賃貸需要が年間を通して安定しています。
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観光客向け短期賃貸(Airbnbなど)の稼働率が高い 
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BPO(アウトソーシング)や外資系企業の駐在員が長期賃貸を求めている 
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フィリピン経済の成長に伴い、不動産価値の上昇が期待できる 
3-2. 投資に向いている物件タイプ
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ITパーク周辺のコンドミニアム(駐在員・デジタルノマド向け) 
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マクタン島ビーチ沿いのコンドやリゾートヴィラ(観光客向け短期貸し) 
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インターナショナルスクール近くの一戸建て・タウンハウス(家族帯同駐在員向け) 
3-3. 収益モデルの種類
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長期賃貸(6ヶ月〜2年) - 
安定した収入、管理が容易 
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利回り:年間5〜7%程度 
 
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短期賃貸(Airbnbなど) - 
高い稼働率で10%以上の利回りも可能 
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管理負担が大きい、清掃や予約対応が必要 
 
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転売益狙い(キャピタルゲイン) - 
価格上昇局面で有効 
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市場タイミングを見極める必要あり 
 
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3-4. Airbnb・短期賃貸の注意点
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コンドミニアムの管理組合が短期賃貸を禁止している場合あり 
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市・バランガイ(地区)の許可や事業登録が必要な場合がある 
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競合物件数やシーズンオフ時の稼働率も事前に調査必須 
3-5. 投資時の税金と維持費
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所得税:賃貸収入に対して課税(外国人も対象) 
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不動産税(Real Property Tax):毎年1〜2%程度 
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管理費・修繕積立金(コンド):月額100〜150ペソ/㎡ 
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保険:火災・地震保険の加入を推奨 
3-6. 投資成功のポイント
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観光客・駐在員需要の高いエリアを選ぶ 
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信頼できる管理会社と契約する 
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収支計画を事前に立て、空室期間も織り込む 
4. 賃貸ガイド
4-1. セブ島の賃貸物件の種類
セブ島では、主に以下のような物件タイプが賃貸市場に出回っています。
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スタジオタイプ(ワンルーム):単身者・短期滞在者向け 
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1ベッドルーム(1BR):カップルや単身駐在員向け 
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2ベッドルーム以上(2BR/3BR):家族帯同駐在員やルームシェア向け 
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タウンハウス・一戸建て:庭付き、駐車場あり、郊外や高級住宅地に多い 
4-2. 賃貸契約の流れ
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物件探し(オンライン・不動産仲介・知人紹介) 
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内覧(家具・設備・周辺環境の確認) 
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契約条件交渉(家賃、契約期間、修理条件) 
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契約書作成・署名 
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保証金・前家賃の支払い(通常は保証金1〜2ヶ月+前家賃1ヶ月) 
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入居開始 
4-3. 家賃相場(2025年時点)
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スタジオ:月15,000〜25,000ペソ 
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1BR:月25,000〜40,000ペソ 
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2BR以上:月40,000〜70,000ペソ以上 
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タウンハウス・一戸建て:月50,000ペソ以上(立地・広さによる) 
4-4. 家具付き vs 家具なし
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家具付き(Fully Furnished) - 
メリット:すぐ住める、短期滞在に便利 
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デメリット:家賃が高め、家具の劣化リスク 
 
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家具なし(Unfurnished / Semi-Furnished) - 
メリット:家賃が安い、自分好みにインテリア可能 
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デメリット:初期費用がかかる 
 
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4-5. 家賃交渉のコツ
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契約期間を長めに設定して値引き交渉 
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オフシーズン(雨季)に契約して安く抑える 
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複数物件を比較して相場を提示 
4-6. 契約時の注意点
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修理やメンテナンスの責任範囲を明確にする 
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家具や家電の状態を写真で記録 
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保証金返還条件を契約書に明記 
5. 不動産税・諸費用
5-1. 購入時にかかる主な税金・費用
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譲渡税(Transfer Tax) - 
購入価格または固定資産評価額の0.5〜0.75% 
 
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書類印紙税(Documentary Stamp Tax) - 
購入価格の1.5% 
 
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登記費用(Registration Fee) - 
約0.25% 
 
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公証人費用(Notarial Fee) - 
契約書作成・認証のための費用(数千ペソ〜) 
 
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管理費(コンドミニアムの場合) - 
月額100〜150ペソ/㎡程度 
 
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5-2. 保有中にかかる税金・費用
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不動産税(Real Property Tax) - 
固定資産評価額の1〜2%/年 
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市区町村により異なる 
 
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管理費・修繕積立金 - 
コンドミニアムは毎月発生 
 
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光熱費・通信費 - 
家賃に含まれないことが多い 
 
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5-3. 賃貸運営時にかかる税金
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所得税(Income Tax) - 
賃料収入に対して課税(累進税率または8%一律課税) 
 
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事業許可・営業許可(Business Permit) - 
短期賃貸やAirbnb運営の場合に必要になるケースあり 
 
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5-4. 売却時にかかる税金
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キャピタルゲイン税(Capital Gains Tax) - 
売却価格の6%(土地・建物とも) 
 
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仲介手数料 - 
売却価格の3〜5%が一般的 
 
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5-5. 節税・コスト削減のポイント
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不動産税は早期納付割引(5〜20%)を活用 
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管理費は不要なオプション契約を見直す 
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短期賃貸の場合は清掃や管理を外注化して稼働効率を上げる 
6. 安全性とエリア選びのコツ
6-1. 治安を重視する場合のポイント
セブ島はフィリピンの中では比較的治安が安定していますが、地域によって差があります。
- 
治安が良いとされるエリア - 
ITパーク(24時間警備、外資系企業多数) 
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Banilad(高級住宅地、インターナショナルスクール近く) 
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Mactanのリゾートエリア(ホテル警備あり) 
 
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注意が必要なエリア - 
人通りが少ない裏通りや、夜間の市場周辺 
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港湾周辺(スリ・置き引きに注意) 
 
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6-2. インフラ・交通アクセス
エリア選びでは、生活利便性と交通アクセスが重要です。
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大型ショッピングモール(Ayala Center, SM City, SM Seaside)までの距離 
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主要道路へのアクセス(渋滞回避ルートの有無) 
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空港までの所要時間(マクタン島の橋を利用) 
6-3. 生活環境(学校・病院)
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学校 - 
家族帯同ならインターナショナルスクール(CIS, Bright Academyなど)の近くが便利 
 
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病院 - 
大規模私立病院(Chong Hua Hospital, Cebu Doctors Hospitalなど)の近くは安心感あり 
 
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6-4. 将来性と資産価値
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開発計画のあるエリア(例:South Road Properties、ITパーク拡張地区)は将来性が高い 
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新しい橋や道路の建設計画は資産価値に直結する 
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観光開発エリアは短期賃貸需要が見込める 
6-5. エリア選びのまとめ
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治安・インフラ・生活環境・将来性の4要素を総合評価 
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内覧時は昼と夜の雰囲気を必ず確認 
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賃貸需要と売却時の出口戦略も念頭に置く 
7. 不動産購入・賃貸チェックリスト
7-1. 物件見学時のチェックポイント
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立地:主要道路、スーパー、病院までの距離 
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建物の状態:ひび割れ、雨漏り、カビの有無 
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設備:エアコン、給湯器、キッチン、バスルームの機能 
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共用施設:プール、ジム、セキュリティの稼働状況 
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騒音:周囲の交通量、夜間の静けさ 
7-2. 契約前に確認すべき事項
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契約期間と更新条件 
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保証金の金額と返還条件 
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家賃や管理費に含まれる項目(水道・電気・インターネット) 
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修理やメンテナンスの責任範囲 
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短期賃貸やサブリースの可否 
7-3. 購入時の必須書類リスト
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パスポートコピー 
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TIN(納税者番号) 
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売買契約書(Contract to Sell / Deed of Absolute Sale) 
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領収書(Official Receipt) 
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登記証書(Transfer Certificate of Title / Condominium Certificate of Title) 
7-4. 入居前の準備リスト
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家具・家電の確認または購入 
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光熱費契約(電気・水道・インターネット) 
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防犯対策(鍵交換や追加ロック) 
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ご近所や管理スタッフへの挨拶 
8. 関連ガイドリンク集
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