IELTS Reading(リーディング対策)・総合ガイド【2025-2026年版】
IELTS Reading(リーディング)とは?
IELTS Readingは、IELTS試験の4技能のひとつで、受験者の英語読解力・情報処理力・語彙力を測定するセクションです。
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試験時間:60分 
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問題数:40問 
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出題形式:Academic(進学希望者向け)とGeneral Training(移住・就労希望者向け)で内容が異なる 
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解答方式:ペーパー試験ではマークシートに転記、コンピューター試験ではPCに直接入力 
他の英語試験(TOEICや英検など)に比べて文章量が非常に多く、設問のパターンも多様であることが特徴です。
単なる読解力だけでなく、速読・精読・情報検索(スキャニング) のスキルが同時に求められます。
「1文1文を丁寧に読む」よりも、「設問に必要な情報を効率よく探し出す」ことが高得点へのカギです。
AcademicとGeneralの違い
IELTS Readingには、Academic(アカデミック) と General Training(ジェネラル) の2種類があり、受験目的によってどちらを選ぶかが決まります。
Academic Reading
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対象者:大学・大学院への進学を希望する人、専門職の資格認定を受けたい人 
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出題内容: - 
学術的な論文 
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研究記事 
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大学レベルの教材や新聞・雑誌の記事 
 
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特徴: - 
語彙レベルが高く、専門用語や抽象的な概念が多い 
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批判的思考力や論理展開の把握が必要 
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「大学で授業を受けるためのリーディング力」を試される 
 
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General Training Reading
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対象者:英語圏への移住を希望する人、海外での就労や職業訓練を受ける人 
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出題内容: - 
広告や案内文 
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仕事のマニュアルや職場文書 
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日常生活で目にする実用的な文章(手紙、パンフレットなど) 
 
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特徴: - 
Academicに比べて身近で理解しやすい内容 
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読解難易度はやや低めだが、情報整理力が試される 
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「日常生活や職場で必要なリーディング力」を評価 
 
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共通点
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試験時間:どちらも60分 
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問題数:40問 
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採点基準:正答数に基づくバンドスコア(0.0〜9.0)で評価 
Listening・Writing・SpeakingはAcademicもGeneralも同じ形式ですが、Readingだけは内容が異なるため、受験目的に応じて選ぶ必要があります。
出題される問題タイプ
IELTS Readingでは、40問がさまざまな形式で出題されます。
設問は単純な読解ではなく、要点把握・情報検索・論理的理解を試すように設計されています。
代表的な問題タイプは以下のとおりです。
True / False / Not Given
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特徴:本文に書かれているかどうかを判断する問題 
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コツ:本文と一致=True、矛盾=False、言及なし=Not Given 
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難しさ:Not GivenとFalseの区別が最も受験者を悩ませるポイント 
Yes / No / Not Given
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特徴:著者の主張や意見について問う設問 
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違い:True/Falseが事実確認なのに対し、Yes/Noは意見や立場を評価 
Matching Headings
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特徴:各段落に最も適した見出しを選ぶ問題 
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コツ:段落の「主題文」を把握することが重要 
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難しさ:似た意味の選択肢が多く、混乱しやすい 
Matching Information / Features
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特徴:人名、年代、特徴などを正しく対応させる形式 
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コツ:固有名詞や数字に注目しながら情報を整理 
Summary / Sentence Completion
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特徴:文章や要約の空欄に適切な語句を補う問題 
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コツ:文法的に合う単語を選ぶ、指定語数を必ず守る 
Multiple Choice
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特徴:選択肢から正しい答えを選ぶ問題 
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難しさ:本文で複数の選択肢が言及されるため、ダミーに惑わされやすい 
Short Answer Questions
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特徴:本文に基づき、数語で短く答える形式 
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注意点:語数制限(例:No more than 3 words)があるので超えないようにする 
ポイント
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IELTS Readingは多様な問題形式に慣れることが必須 
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設問と本文は「同じ単語」ではなく「言い換え」で出題される 
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問題ごとに求められるスキルが異なるため、形式別の練習が効果的 
次の記事からは、それぞれの問題タイプを個別に攻略していきます。
IELTS Readingの特徴
IELTS Readingは、他の英語試験(TOEICや英検など)と比べても独自の特徴があります。
単なるリーディング力ではなく、限られた時間内に大量の情報を効率的に処理する能力を評価するのがポイントです。
1. 文章量が圧倒的に多い
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Academicでは1パッセージが約900〜1000語 × 3本 → 合計2,500〜3,000語前後 
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Generalでも、日常的な文書ながら合計で2,000語以上 
 受験者の多くが「時間が足りない」と感じる最大の理由です。
2. 時間配分がカギ
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試験時間は60分で、問題数は40問 
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1問あたりに使える時間は 約1.5分 
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目安は「1パッセージ=20分」で解き切ること 
 時間管理能力が直接スコアに影響します。
3. 言い換え(パラフレーズ)の多用
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設問と本文が「同じ単語」で一致することはほぼありません 
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例:設問「important」 → 本文「crucial」「vital」 
 同義語・言い換え表現を瞬時に理解できるかが勝負の分かれ目。
4. 多様な問題形式
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True/False/Not Given、Matching Headings、Summary Completion など、多様な形式が組み合わされる 
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単純な「読解テスト」ではなく、「情報検索力・分析力」が問われる 
5. 客観的な採点方式
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40問中の正答数がそのままバンドスコアに換算される 
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WritingやSpeakingのような主観的評価ではなく、正解か不正解かの二択 
まとめ
IELTS Readingの特徴は、
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文章量が多い 
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時間との戦い 
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言い換え表現に慣れる必要がある 
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問題形式ごとの対策が必須 
という点に集約されます。
次のセクションでは、採点とスコア換算の仕組みを解説します。
採点とスコア換算
IELTS Readingは、40問の正答数によってスコア(バンドスコア)が決まります。
部分点はなく、答えが正しければ得点、不正解なら0点というシンプルな方式です。
スコア算出方法
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問題数:40問 
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評価方式:正答数をもとにバンドスコア(0.0〜9.0)に換算 
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表記方法:0.5刻み(例:6.0、6.5、7.0) 
Academic Reading のスコア換算例
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30/40 正答 → 約7.0 
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35/40 正答 → 約8.0 
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23/40 正答 → 約6.0 
General Training Reading のスコア換算例
GeneralはAcademicより少し易しい内容のため、同じ正答数でもスコア換算が異なります。
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30/40 正答 → 約6.0 
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34/40 正答 → 約7.0 
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38/40 正答 → 約8.0 
Academicの方が難易度が高いため、同じ正答数でもスコアが高めに設定されています。
採点の特徴
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公平性が高い:WritingやSpeakingのように採点官の主観が入らない 
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安定性がある:練習量を増やせば正答数が伸び、スコアアップに直結する 
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自己採点可能:模試や過去問で自分のスコア目安を簡単に確認できる 
まとめ
IELTS Readingのスコアは、
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正答数=スコア というシンプルな仕組み 
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AcademicとGeneralで換算基準が異なる 
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公平性と安定性が高く、練習の成果が出やすい 
次のセクションでは、学習のポイントを解説します。
学習のポイント
IELTS Readingで高得点を取るためには、単に英語を読む力だけではなく、試験特有のテクニックと戦略が必要です。ここでは効果的な学習のポイントをまとめます。
1. SkimmingとScanningを使い分ける
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Skimming:文章全体をざっと読み、主旨や流れを把握する技術 
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Scanning:設問に必要なキーワードや情報を素早く探す技術 
 「全文精読」ではなく、「必要な部分を素早く探す」練習をすることが重要です。
2. 語彙力を強化する
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Academicでは学術的な単語、Generalでは日常・仕事関連の単語が多く出題されます。 
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特に Academic Word List (AWL) は必須。 
 語彙ノートを作り、シノニム(同義語)と一緒に覚えると効果的です。
3. 問題形式ごとに対策する
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True/False/Not Given や Matching Headings など形式が多様 
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それぞれに「解き方のコツ」があるため、形式別練習が必須 
 同じ過去問を形式別に解き直すとスキルが定着します。
4. 時間管理を徹底する
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60分で3つのパッセージを読む必要があるため、1パッセージ=20分が目安 
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難しい問題に固執せず、後回しにする判断力も重要 
 模試を使い、実際の試験時間で練習することが効果的です。
5. 間違いノートを作る
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間違えた問題をそのままにせず、「なぜ間違えたか」を記録 
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言い換え表現を見逃したのか、設問の指示を読み落としたのか分析する 
 弱点のパターンを把握して、次に同じミスを繰り返さないようにします。
まとめ
IELTS Readingは、単なる読解力だけではなく、速読力・語彙力・情報検索力を総合的に試されるセクションです。
Academicでは学術的な文章、Generalでは日常的な文章が出題されますが、いずれも40問を60分で解き切らなければなりません。
高得点を目指すには、
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時間配分を意識すること 
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設問タイプに応じた解法を習得すること 
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言い換え表現への対応力を高めること 
この3点が特に重要です。
日々の学習でこれらを意識すれば、確実にスコアアップにつながります。
自分の目標スコアに向けて、計画的にトレーニングを積み重ねていきましょう。
IELTS Reading 総合ガイド:FAQ
IELTS Readingは何分で何問ありますか?
試験時間は60分、全40問です。3つの長文パッセージを読み、設問に答えます。
AcademicとGeneralのReadingは何が違いますか?
Academicは学術寄りの長文(論文・研究記事・新聞)で難度が高め、Generalは広告や案内、職場文書など実用的な文章が中心です。どちらも60分・40問で評価方式は同じです。
スコアはどのように計算されますか?
40問の正答数をバンドスコア(0.0~9.0、0.5刻み)に換算します。WritingやSpeakingと違い部分点はありません。
AcademicとGeneralで同じ正答数ならスコアは同じですか?
一致しません。一般にAcademicの方が文章難度が高いため、同じ正答数でもAcademicの方が高いスコアに換算される傾向があります。
時間配分はどうすればよいですか?
目安は「1パッセージ=20分」。難問に固執せず、迷ったら一旦飛ばし、最後に戻る運用が効果的です。
どの問題タイプがよく出ますか?
True/False/Not Given、Yes/No/Not Given、Matching Headings、Summary/Sentence Completion、Multiple Choice、Short Answerなどが定番です。
Not GivenとFalseの違いがわかりません
本文と矛盾すればFalse、本文に言及がなければNot Givenです。「推測で補う」と誤答しやすいので、本文の有無だけで判断します。
速読が苦手です。改善策は?
Skimming(主旨把握)とScanning(必要情報の探索)を分けて練習します。毎日1パッセージを時間計測で解き、段落ごとの主題文に線を引く習慣が有効です。
語彙は何を優先して覚えるべきですか?
Academic Word List(AWL)と頻出のシノニム(例:important=crucial/vital)を優先。設問と本文は言い換えで出るため、同義語セットで覚えます。
英文を全文精読すべきですか?
時間内に全文精読は非現実的です。まずSkimmingで全体像→設問を読みキーワード確認→Scanningで該当箇所に戻って精読、の順で解きます。
自宅学習のおすすめ教材は?
Cambridge IELTSシリーズ(過去問)が最優先。あわせて英字新聞や学術系記事(解説付き)で速読と語彙を鍛えます。
目標スコア別の戦略は?
- 5.5~6.0:Passage 1・2で確実に得点、3は半分取る方針
- 6.5~7.0:全形式の解法を習得し、時間配分を固定化
- 7.5以上:語彙の幅と言い換え耐性を強化、精読と速読の切替を高速化
本番での見直しは可能ですか?
可能ですが時間に余裕は多くありません。各パッセージの終盤で1~2分のミニ見直し時間を確保する前提で解き進めると安全です。
コンピューター受験とペーパー受験、Readingに差はありますか?
形式・採点は同じです。CBTはスクロール操作とハイライト機能が使える一方、紙は段落全体を俯瞰しやすいなど好みが分かれます。模試で事前に慣れておきましょう。
